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闘え!マンション管理組合奮闘記/Data.5

恒例イベントで共有意識芽生える 現在、理事会はWeb会議で実施

新型コロナウイルスは積極的にコミュニティ形成を図ってきた管理組合や自治会運営にも直撃した。恒例イベントがままならず、対面での会議も進まない。こんな時勢において、他のマンションはどうしているのか。地域ではコミュニティが盛んだと評判のグランフォーレ戸塚ヒルブリーズ・理事長に話を聞いた。


♪咲き誇れ花よ その笑顔にまた会える
 長い坂を上ればほら 広がる
 グランフォーレcherry road ~♪
 16年間毎年で行ってきたグランフォーレ戸塚ヒルブリーズの桜まつりは17回目の昨年(2020年)、新型コロナウイルスの影響により中止した。
2021年も3月末に予定しているが「中止」の目算が高い。
 マンション前の約500mの区間に200本のソメイヨシノの花びらが舞う「八幡山の桜」。この花見の名所を自分たちで守り続けていこうという目的で桜まつりははじまった。 グランフォーレの桜まつりは地元では有名で、モデラ・ピークス戸塚やウィスティリアヒルズ戸塚などの近隣マンションも有志が模擬店の出展に参加する。また、近隣の舞岡中学校のブラスバンド部、明治学院大学のチアリーディング、その他ものまね、手品、ミニコンサートなどの催し物も盛ん。毎年、居住者である実行委員会のメンバーの尽力により、地域の一大イベントとして貢献してきた。
 冒頭の歌詞は、地元戸塚のピアノ弾き語りシンガーソングライター・kaho*さんによるグランフォーレ戸塚ヒルブリーズへの楽曲提供。桜まつり開催時には、開催がかなわなかった年の分の盛り上がりに期待したい。
 こうしたイベントから、管理組合、自治会としての共有意識が芽生え、グランフォーレ戸塚ヒルブリーズではマンション管理や住環境、防災への住民の関心も高まっていったのである。
 入居早々からITシステム環境の整備や植栽管理、修繕などの委員会は活発に活動を開始した。理事会ではパソコンを利用し、書記がプロジェクターに映した議事録にその場で書き込んでいくシステムで議事を進行させる。話し合いと同時に議事録が作成され、理事会の終了時に理事長、理事が押印。数日後には印刷したものを各戸に配布する。議事録作成を管理会社に任せることはしていない。
 現在の理事会はZoomによるWeb会議を実施。ITに詳しい理事長が直接説明・利用方法を教えている。総会は3月の第2週。2020年は政府の緊急事態宣言前だったこともあり、参加者にはマスク着用などの要望のみで、通常どおり行った。
今年も3月7日に密集の回避、手指の消毒、体温の計測、マスクの着用、室内の換気などの感染防止策に留意して、総会を招集して実施する。
今年の総会での重要案件はWeb会議による理事会開催についての管理規約改正。規約に則ってWeb理事会ができるよう承認を得る予定だ。
 今後の課題は災害時の発電機の運用ルールの策定など。台風で夜に停電した際、共通棟の前で発電機を起動したところ「音がうるさい」と苦情が出た。実際に機能する防災活動を自治会と協力して進めていく予定である。
 新型コロナウイルスは終息のめどが立たない。東京五輪・パラリンピックの開催も不透明なままだ。しかし、明けぬ夜はない。厳しい冬を乗り越えて新しい春の花が芽吹く。グランフォーレcherry road のように“長い坂を上れば、その笑顔にまた会える”ことを祈りたい。

(大規模修繕工事新聞 135号)

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●マンション建物概要
・ グランフォーレ戸塚ヒルブリーズ管理
組合
・2002年竣工・RC造・2棟・10階建て
・全206戸
・役員/理事8人、監事2人
・任期/2年(1年ごと半数交代)
・理事会開催頻度/月1回