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マンション隣地にビルが建設 反対する方法ありますか?/山村弁護士法律相談(4)

Qマンション隣地にビルが建設反対する方法ありますか?」

マンションの隣地に大型商業ビルが建設されることになりました。日当たりが悪くなってしまうのではないか心配です。これに対して何か反対する方法はあるのでしょうか。

要望を伝え、配慮を求めるなど工事前の事前対応を行うべき

 建築基準法においては、高層建築物が建つことによる日照、採光、通風等の悪影響を防ぐための規制をしています。前面道路や隣地境界線との関係で、用途地域や容積率によって、建築物の各部分の高さを制限したいわゆる斜線制限(建築基準法56条)や、周囲の敷地に日影を生じさせる時間を一定時間内に制限するいわゆる日影規制(建築基準法56条の2)などです。
 また、高層建築について、計画の事前公開や事前説明、事前協議等をすることを定めた条例や制度を整備している地域もあります。
 このような法令等に違反した建築物、あるいは法令等に従った建築物であっても、実際に周囲の日照が阻害されている程度が大きいような場合には、建築主に対して、建築の差し止めや損害賠償を請求することが考えられます。
 請求が認められるかどうかは、法令の基準に従っているか、日照が阻害されているレベルが社会通念上受忍できる限度を超えているかどうかが考慮されるほか、地域性、近隣の日照の被害を避けるための配慮がなされているか、高層建物が公共性の高い建物か、被害を受ける建物が住居かそれ以外か、などが総合的に考慮されます。
 建築の差し止めは土地の利用権の重大な制限でもあるので、実際に建築工事がはじまり、進行してしまうと、差し止めるのは非常に困難と言えるでしょう。
 そこで、現実的な方法としては、マンションの管理組合の代表者が、当該商業施設の建築計画段階での事前説明会などに出席し、マンション側の要望事項を伝え、配慮を求めたり、行政の担当課に相談し建築主に対する指導を求めたりするなど、事前の対応を行っていくべきでしょう。
 商業施設側にとっても、近隣住民との関係は、その後の商業活動等にも影響する問題ですので、良心的な事業者であれば、要望事項にある程度配慮してくれる場合もあるでしょう。
(大規模修繕工事新聞 135号)

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