コロナ禍の管理・運営を改めて考える
NPO法人日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2021年7月5日付第466号「論談」より
管理組合の総会シーズンは終わったが、長期につづくコロナウイルス感染症流行の下で、総会や理事会の運営が不正常になったまま、もとに戻っていないところも多い。
また、コミュニティの維持という点でも問題を抱えている。
改めてこの問題を考えてみたい。
一番の問題は、総会参加者の少人数化、形骸化である。たしかに、これまでも総会が、多数の委任状や議決権行使書によって成立してきたことは事実である。その傾向がコロナ禍の下でさらにすすんでいる。
しかし、総会で組合員の総意を反映することが管理組合の基本であり、緊急事態下、まん延防止措置下で運営方法を簡略化したままでよいとするのでは不適切である。
やはり総会(集会)こそ管理組合最大・最高の行事として実質のあるものとすべきと考える。
三密の防止が求められる中だが、総会・理事会は決して不要・不急のものでなく必要・不可欠の行事であることであり、実質的に組合員の意見が反映できるようどう運営するか改めてそれぞれの条件に合わせて検討していくことをお願いしたい。
次に考えるのは、コミュニティをどう維持するかという問題である。
お互いマスクをしていても通路で立ち話をするのさえ、遠慮がちになっているのが実状である。人とのつきあいがめっきり減ったという声も聞かれる。
コミュニティ崩壊の危機とさえいわれている。
しかし、管理組合の正常な運営にとっては、マンション内の人々の間の意思疎通がスムーズであるのが必須である。
これらへの日常的な対策として、広報・PR活動の強化をあげたい。この間、多くの管理組合でITの利用が図られた。オンライン総会や理事会、あるいはオンラインを併用した総会を実施したところもある。
ホームページなどを活用した広報の可能性も広がってきた。これらを広報紙や掲示板の活用と合わせて、理事会が組合員との意思伝達・交流の可能性を広げるよう、努めていくことを期待したい。
(NPO日住協論説委員会)
(大規模修繕工事新聞 140号)