国土交通省は8月6日、昨年度に創設した「マンションストック長寿命化等モデル事業」の令和3年度第1回提案募集について、評価結果を公表しました。今回は、応募のあった5件すべてを採択事業として適切であると評価されました。
応募があったのは「計画支援型」2者2件、「工事支援型(長寿命化改修工事)」2者2件、「工事支援型(建替え工事)」1者1件の計5件。評価は、国立研究開発法人建築研究所において、学識経験者からなる評価委員会を設置し、提案事業の評価・
審査を行っています。
◇ 採択事業の内容について、「計画支援型」の2件はエレベーターの免震化を伴う増設案の検討、超高層マンションでの地下配電設備の浸水対策など、災害対策への先導的な取り組み等が評価されました。
「工事支援型」は2件が、中長期的な計画に基づき、共用給排水管を樹脂管に交換し耐震性・耐火性・耐久性の向上、ライフサイクルコストの低減を図る改修工事の提案、住民の負担軽減へのきめ細かな配慮、工程計画や合意形成の工夫、性能向上への工夫が見られる改修工事の提案など、汎用性があり参考となる長寿命化の改修方法のパッケージとして先導的である点で評価されました。
また、「工事支援型」の1件は郊外型団地の建て替えにおいて、仮移転期間の短縮、保留敷地での施工再建マンションの分譲時期の調整による供給過多の回避、保留敷地の工事ヤードとしての活用など、敷地分割のメリットを活かした建替え事業が先導的であると評価されました。
マンションストック長寿命化等モデル事業は、急増する老朽化マンションの再生検討から長寿命化に資する改修や建替え等のモデルとなるような先導的な再生プロジェクトに対し、国が事業の実施に要する費用の一部を補助するものです。
大規模修繕工事新聞 142号