コロナ完成防止、管理組合としての対策
NPO法人日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2021年10月5日付第469号「論談」より
新型コロナは、感染拡大は小康状態になったとはいえ、とりわけ感染力が強いといわれるデルタ株への置き換わりで予断は許されない。感染予防の有力な手段とされるワクチンの接種をめぐっても混乱が続いている。
◆管理組合の取り組み
感染対策は、管理組合によって差がみられる。進んでいるところでは、いち早くコロナ危機管理室を設けて権限や予算も与え、どんな場合にも対応できるよう構えをしたところもある。
万一、感染者が発生した場合の対応もプライバシーの保護を含めて詳細な検討がされている。
ある団地では住民が利用するかかりつけ医に連絡、ワクチン接種可能な医院のリストを住民に提供するなど便宜を図っている。
一方、修繕工事業者には万全の対策を求めながら、管理組合員向けにはマンション入り口への消毒薬の用意や三密防止のキャンペーンもしていないというところもあるという。
◆最大限の対策をとる
緊急事態宣言のもとでのオリンピック・パラリンピックの実施という矛盾した対応もあって、感染防止が現在の最大課題だという意識がなかなか浸透していない。
しかし、管理組合理事会としては傍観せず、管理運営の前提として感染防止に可能な最大限の対策を講じるべきだと思う。
それはマンションのエントランス周辺や集会室の消毒や換気を頻繁に行うこと、エレベーターの人数制限、集会室の使用制限・中止などを実施するとともに、三密防止・換気の徹底や外出時のマスク着用などに努める意義を組合員、居住者によく理解してもらえるよう情報を提供することである。
◆理事会の姿勢がカギ
対策のポイントは当たり前のことを言っているだけのようだが、身近なところからの直接の呼びかけは、けっこう効果があるものである。
コロナ禍のなか、外出規制や三密防止を訴えて対策にあたる政治家や行政の担当者が、ひそかに宴会など三密に当たる行事に参加して世論の批判を受けるケースが続出している。
これを反面教師として、理事会が呼びかけるコロナ対策の効果を上げるためには、理事会の姿勢がカギであることの自覚を改めてお願いしたい。
(NPO日住協論説委員会)
(大規模修繕工事新聞 143号)