著者が繰り返し記すのが「一番困るのは相続人である子どもたち」。一
次相続の場合、「配偶者控除」「小規模宅地等の特例」によって税金の心配がないといわれる。ところが二次相続の場合はこれらが当てはまらない。
課税がなくても処分に困る家、買い手も借り手もつかないマーケットがない家はたくさんある。マンションの場合、売れない、貸せなくも相続人は管理費等を支払わなければならない。相続した不動産は「もはや資産ではなく負債そのもの」になる可能性が小さくない。
「負の相続」にならないために著者が「絶対にやるべき」としているのが、相続前の親子会議、家族信託等である。所有者が亡くなったり、認知症になる前から、その後の対処を決めておかないと、待っているのは「負動産地獄」かも!?
『負動産地獄 その相続は重荷です』
著者/牧野知弘
出版社/文藝春秋
判型/文春新書・240 ページ
定価/ 950 円(税別)
2023 年2 月20 日発行
ISBN: 978-4-16-661398-4
大規模修繕工事新聞2023-04-160号