「大規模修繕工事新聞」創刊から現在に至るまで、全ての記事をアーカイブ収録していますから、マンションの大規模修繕工事に関する情報やマンション管理組合に関する情報を上の<記事検索>にキーワードを入れるだけで表示させて、必要な記事を読むことができます。

アスベスト法規制、さらに厳しく―/10月1日、有資格者による事前調査を義務化

今年10月1日に着工する建築物の解体・改修工事から、アスベストの有無の調査を石綿作業主任者、建築物石綿含有建材調査者等の有資格者によって行うことが義務付けられました。
 アスベストによる健康障害の予防対策のため、2005年に石綿障害予防規則(石綿則)が制定され、解体・改修工事おける必要な措置等について、2020年7月に石綿則が改正されました。また、2020年10月には大気汚染防止法改正も公布されています。
 解体・改修工事の現場では常にアスベストの飛散によるばく露の危険があります。マンションにおいてもどこにアスベストが使用されているかわかりません。
 アスベスト含有の調査等については、国や、マンションが所在する自治体の事業を確認して対策をとるようにしましょう。



アスベストとは…
 天然に存在する繊維状鉱物。石綿(いしわた)とも呼ばれる。まざまな建設資材に使われてきたが、アスベスト繊維を吸入すると、肺がんや中皮腫などの重篤な疾患が発症する恐れがあるため、現在では製造や使用等が禁止されている。

2021年4月
・ 事前調査の結果は3年間の保存が義務づけられる。
・ アスベスト除去工事は事前に労働基準監督署に届け出る必要がある。
・ 除去工事後、資格者によるアスベストの取り残し確認をする必要がある。
・ アスベスト除去等の改修は、作業の実施状況を記録し、3年間の保存が義務づけられる。


アスベスト改修のイメージ
2022年4月
・ 工事部分の床面積が80㎡以上の工事、請負金額が100万円以上の改修工事について、事前調査結果の労働基準監督署へ電子システムによる届出が必要となる。
2023年10月
・ 建築物の事前調査は、厚生労働大臣が定める講習を修了した者等が行う必要がある。
<除去工法>
 吹付けアスベスト等を下地から取り除く方法。アスベスト含有建材を完全に除去するので、最も確実に建物を安全にする工法である。

 

 

 

 

<封じ込め工法>
 アスベスト層を残したまま、薬剤を含浸したり、造膜材を散布し、吹付けアスベスト等を固定することで、飛散を防止する工法をいう。

 

 

 

 

<囲い込み工法>
 アスベスト層を残したまま、板状材料等で覆うことで、粉じんの飛散や損傷防止等を図る工法をいう。
※イラスト/国土交通省「建築物のアスベスト安全対策の手引き」より

国土交通省/社会資本整備総合交付金等による支援住宅・建築物アスベスト改修事業

 

 


⑴アスベスト含有調査等
【対象】吹付けアスベストまたはアスベスト含有吹付けロックウールが施工されているおそれのある住宅・建築物
【国費率】10/10(限度額:原則25万円/棟)
【事業期限】 民間建築物:令和7年度末までを着手期限とする。

⑵アスベスト除去等
【対象】吹付けアスベストまたはアスベスト含有吹付けロックウールが施工されているおそれのある住宅・建築物
【国費率】民間事業者が実施する場合 :地方公共団体の補助額の1/2以内(かつ全体の1/3以内)
【事業期限】 民間建築物:令和7年度末までを着手期限とする。

大規模修繕工事新聞10月号(23-10)