
マンションの大規模修繕工事の談合問題で、設計コンサルタント2社、施工会社40社に排除措置命令が発せられましたが、不正や構造的な問題の元凶は「管理会社にある」という業界関係者は少なくありません。
管理会社は建物の劣化診断から資金状況の把握までを掌握し、自らの利益を上乗せした工事提案や業者選定を行うことで市場の競争原理を歪めている実態があります。さらに、そうした利益誘導は施工中のミス隠蔽にもつながり、設計コンサルタントすらも管理会社のコントロール下にあるという声が多く聞かれます。
具体的な関係性と構造の特徴は以下の通りです。
(1)管理会社による市場と情報の支配
管理会社はマンションの日常管理だけでなく、建物の劣化診断や修繕積立金の貯蓄状況などすべての情報を把握・支配しており、大規模修繕業界では70~80%を管理会社が仕切っているとされています。そのため、自らの儲け・利益を加味した工事提案を主導して行える立場にあります。
(2)あらかじめ決められる利益と「形ばかりの相見積もり」
管理会社は業者選定に入る前から自らの取り分(利益)をあらかじめ決定し、その条件に合った施工会社を指名して相見積もりを作成するよう差配することが可能です。そのため、選定プロセスにおいて最初から市場の自由な競争原理が存在していません。
(3)「指名外し」への恐れによる従属関係
施工会社側は、管理会社の意向や取り分設定に対して反論や抗議を行うと「次回からの指名外し(選定対象からの排除)」を受けることを恐れているため、管理会社に対して何も言えない立場に置かれています。
(4)施工ミスの隠蔽や構造的な利益相反
このような力関係は、工事中や工事完了後に施工ミスが発生した際にも、管理会社によってそれが隠蔽される問題へとつながります。また、普段の管理業務を行いながら大規模修繕工事で利益(時には工事費の2割~3割に及ぶケースもある)を得る構造には、避けられない利益相反が存在しているといえるでしょう。
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全建センターでは以前より、管理会社や設計コンサルタントが主体となる発注方式を否定し、独自の「トータル・マネジメント(TM)方式」(//zenken-center.com/ntm/)を提案しています。
この方式は、従来の「責任施工方式」をベースにしつつ、全建センターが工事全体を管理することで、コスト削減や品質向上を実現する仕組みです。設計・監理方式のように設計コンサルタントを必要としないため、コストと時間を削減できます。
また、第三者である全建センターが中立的な立場で工事全体を監視し、不正やトラブルを防ぎます。管理会社が入る余地はありません。
TM方式は、特に修繕積立金が限られている管理組合や、工事の透明性を重視する場合に適しているとされています。全建センターの中立的な立場と専門知識を活用することで、管理組合が抱える課題解決の手段の一つと検討してみてはいかがでしょうか。
<全建センター・大規模修繕工事新聞論説委員会2026-11-02>
大規模修繕工事新聞 2026年10月 202号




