タイルの色合わせ
タイルを張り替える場合、既存のタイルと新しく作るタイルに色違いが生じます。なるべく色違いが出ないように既存タイルをタイル工場に送り、見本焼きを行い、管理組合と確認しながら、タイルの色合わせを行っていかなければなりません。
マンションに予備のストックがあればよいですが、無い場合は新たに作ります。
多くのタイルは釉薬(ゆうやく)という、うわ薬を塗布して窯で焼き上げます。タイルを焼く窯そのものの特徴や、その時々の湿度・温度といった自然環境により、生産されるタイルの色合いが変わってきます。このため、試し焼きを行い確認する必要があるのです。
着工前にタイルを採取、見本焼きに約2~3週間、見本焼き承認後の本焼きには1.5カ月~2カ月の期間を要します。
ただし、見本焼きをしたところで、すべての面のすべてのタイルの色合わせをすることは不可能です。日当たり、風雨の影響、建物の東西南北側、低層部・高層部での変化はどうしても生じてしまいます。
また、タイル回りの目地についても風化の差があり、決めた目地の色ですべての面に合うとはありません。
こうした状況にもかかわらず、見本焼きを繰り返すとそれだけ工事の進行は遅れます。
「タイルの色合わせに100%はない」を了解した上で、精度の確認をしていただきたいと思います。
(大規模修繕工事新聞 2014-9 No.57)