トータルメンテナンスを提案
マンションの長寿命化と資産価値の保持
外壁にも塗膜防水材で建物全体を防水改修
前号でお話ししたが、大切な資産であるマンションを長期にわたって良好な状態に維持するためには、鉄筋コンクリートの劣化を予防することが重要である。特に不可避であるひび割れから浸入する水分で起こる劣化に対処できる材料・工法を選ぶことが必要だ。
そこでひび割れが拡がっても切れない「塗膜防水材」によりマンションの長寿命化に貢献できる方法を紹介したい。
屋上防水だけでなく、外壁も塗膜防水材で改修する、つまり建物全体を防水塗膜で包み込む「トータルメンテナンス」こそ、マンションを長く持たせるコツであり、これからの長寿命化のあり方といえるだろう。
タイル外壁には「クリアウオール®工法」。建物のメンテナンスにメリット
タイル外壁では目地に詰められているモルタルの保護が重要である。
モルタルの目地は雨水や各種劣化因子の入口となり、躯体である鉄筋コンクリートの劣化を助長するばかりでなく、雨水による乾燥収縮湿潤膨張の繰返しを引き起こす。それが、タイル剥離の一因となっている。
タイル外壁を長持ちさせるための方法は、目地を含めて継ぎ目のない「シームレスな塗膜」で被覆する方法だ。
タイル外壁で従来より使用されている工法では、ひび割れへの追従性や耐久性が不足しており、年月とともに美観を損なう不具合が少なくない。
タイル外壁用保護材を選定する際には、タイル張りの意匠性を損なわず、長期にわたって目地モルタルを保護できるものを選定することが重要となるのだ。
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タイル外壁用保護材「クリアウオール®」は防水・保護機能はもとより、耐汚染性も優れた柔軟な透明塗膜で、タイルのひび割れ部分や目地モルタルからの雨水の浸入を防止し、タイルの剥離を予防する。
クリアウオール®でタイル張り仕上げ外壁を防水・保護することにより、下地のコンクリート躯体を含めて、長期にわたり良好な状態を維持することができる。また次の大規模修繕工事も想定した商品設計をしており、汚れ除去や不具合の修正後に再び塗り重ねれば十分に性能を維持することができる。
大規模修繕によってタイルの風合いや意匠を損なわないこと、施工当初の美観が長い間維持できること、タイルの剥離予防ができることが、「クリアウオール®」工法の最大のメリットといえるだろう。
(次回は、タイル張り仕上げ以外の外壁の推奨工法を紹介する。)
(大規模修繕工事新聞 2013-16.5 No.427)