色彩調和
建物にふさわしい色とはいったいどんな色でしょうか?
木や土、石といった昔から使われていた材料の色が『慣れ親しんだ色』といわれています。暖色系で、薄く地味な色が好まれるようです。鮮やかすぎない、暗すぎない、明るすぎない色がお奨めです。
派手な色(赤、黄、紫)や暗すぎる色は、日光に当たったり、時間の経過などにより色あせを起こしやすいといわれています。
外壁や建物全体に使う色を同じ色味にまとめ、明るさなどで変化をつけると、落ち着いた印象になります。
商業地区等で店舗と住居が一緒になっている複合用途マンションでは、存在感も大事なアクセントカラーをうまく活用してリズムを与えましょう。
一方、住宅街では落ち着いた色使いで街並みに統一感を出せるといいですね。いろいろな色を使ってもトーンを揃えると整った景観が得られます。
外壁の塗り分けと色
色を使いすぎると、まとまりに欠ける印象になってしまいます。
ただし、外壁を数色で塗り分けると、1色で仕上げるより建物に表情が出てきて、住民の満足度が高くなる傾向にもあります。
面積の一番大きな部位から色を決めていきます(ベースカラー)。面積が大きいと周囲に与える影響も大きくなるため、鮮やかな色は避け、明るい色を選びましょう。
<考慮するポイント>
・明るく飽きのこない色
・周囲の景観との調和
・汚れが目立ちにくい
・変褪色しにくい色。
次に面積の広いところの色を決めます(アソートカラー)。全体の印象を方向付ける効果があります。
<考慮するポイント>
・ベースカラーと差をつける(コントラスト)
・鮮やか過ぎる色は避ける(ベースカラーに準じる)
最後にアクセントカラーを決めましょう。面積は一番小さいですが、配色の中で最も目立つポイントであり、全体を引き締めたり視点を集中させる効果があります。
<考慮するポイント>
・ベースやアソートカラーと同系色か、対比の色を選ぶ
・ ニュートラルカラー(白、黒、グレー)のアクセントはベースカラーを落ち着かせる
・流行を意識した色を選ぶのもよい
真っ白や他の部位よりやや暗い色、鮮やかで目立つ色なども部分的にうまく使えば効果的なアクセントになります。
最後に全体のバランスを確認しましょう。
マンションの場合、付帯設備等が多く存在します。配電盤など付帯設備は壁と同等の色で塗り、その存在を強調しないようにしましょう。
〈取材協力:関西ペイント販売㈱東京建設塗料販売部〉
(大規模修繕工事新聞 第66号)