「大規模修繕工事新聞」は、一般社団法人 全国建物調査診断センターが発行するマンションの適正な管理に役立つ管理組合向けのフリーペーパーです。首都圏、関西圏の約30,000の管理組合に直接、無料で発送しています。また、同じ内容のメルマガ版は登録いただいた方に無料配信しています。当HPでは、「大規模修繕工事新聞」の過去から現在に至るまで、全ての記事を収録していますから、マンションの大規模修繕工事に関する情報やマンション管理組合に関する情報を左下の検索窓からキーワードを入れるだけで必要な情報を得ることができます。

修繕積立金値上げから9年 通帳残高と工事の見積金額が同じって!?

yomoyamahanashi修繕積立金値上げから9年
通帳残高と工事の見積金額が同じって!?

築12年・1棟・6階建て・40戸。昨年秋、1回目の大規模修繕工事を実施したマンションのエピソードです。
9年前、管理も委託していた地場の分譲会社が倒産。管理会社変更を経験しました。
すべて分譲会社にお任せしていた住民がマンション管理にはじめて関係したわけです。
倒産した会社が管理の専門会社ではなかったことからも会計業務などはいい加減で、管理組合の資産はほとんどありませんでした。当時の修繕積立金は、専有面積によって異なりますが戸当たり2,000円程度。
新しい管理会社の説明によって住民らがマンション管理を少しかじったことから、これまでどんなにずさんだったかを知ったようでした。
そこで新しい管理会社が積極的な提案をして、段階的な修繕積立金の値上げを行いました。
このことについて「ほとんどフロントマンのおかげ」と理事長は話しています。
「修繕積立金を当初の約6倍に値上げしたおかげで、今回の工事が一時金や借入なしで実施できた。住民だけでは値上げはうまくいかなかったと思う」
今回の工事は修繕積立金の値上げなくしてはできなかったと、お世辞抜きで管理会社に感謝していました。

ところが、そんな管理会社との良好な関係に疑問が生じました。
管理会社は大規模修繕工事の時期を目前に独自で建物の調査診断を行い、その結果から工事計画の提案と見積書を提出してきたのです。
調査診断の結果や工事の提案はともかく、建築には素人である理事たちはそこで「ん?」と首をかしげました。
「大きなおカネが動く大規模修繕工事だから、管理会社の提案について理事で話し合っていたとき、あることに気づいたんです」
管理会社フロントマンのおかげでがんばって貯めてきた修繕積立金口座の残高が5,000万円強。見積金額が5,000万円弱。「通帳残高と工事の見積金額がほとんど同じってどういうこと?」。
◇ ◇
「管理会社に払うために積立金の値上げにがんばってきたんだろうか」
そう思った理事会はマンション改修専門の設計コンサルタントをインターネットや情報紙で探して相談してみました。修繕工事内容や業者選定などのアドバイスを受けたのです。
結果的に設計コンサルタントの共通仕様書のもと、競争見積もりを行って改修専門業者を選定し、管理会社の約70%の工事費用で1回目の大規模修繕工事を終えました。
◇ ◇ ◇
ここで管理会社の意図は深読みしません。
筆者の知り合いの管理会社スタッフにこの話をすると、「その管理会社は時代遅れ。20年前のやり口だな」という人もいました(あれぇ?どういう意味だぁ!?)。
でも、とにもかくにも、理事長は「適正で、内容のよい工事ができたと思う。第三者に相談してみてよかった」と話しています。

(大規模修繕工事新聞 第20号)2011-08


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA