全 国 各 地 の マ ン シ ョ ン 大 規 模 修 繕 ト ピ ッ ク ス
㈱リノシスコーポレーション1級建築士事務所
佐藤成幸常務取締役
6月23日に東京・京橋で行った全国建物調査診断センターのセミナーから。佐藤常務がコンサルタントとして取り組んだ地域文化のよく表れた事例を紹介します。
東大阪編
東大阪市は1967年、布施市、河内市、枚岡市が合併し発足しました。
もともとこの地域は「河内のオッサン」で知られる町です。「おー、よう来たのワレ まあ上がって行かんかいワレ ビールでも飲んで行かんかいワレ」の歌がありますが、中小企業工場の密集地で、技術の高い人の集まりでもあります。
2002年12月、 東 大 阪 宇 宙 開 発 協 同 組 合(AstroTechnology SOHLA)を設立。2009年1月、人工衛星「まいど1号」の打ち上げにも成功しています。
そんな街・東大阪。実は、大阪市内の都市化で失われた、古き良き大阪人の気質(おせっかい)を色濃く残す町なのです。
そんな町で、どのようにマンションの大規模修繕に関わってきたか―。
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東大阪は人情、人のつながりを大切にする土地柄ということはもうおわかりだと思います。
秋の小学校の運動会の前日は理事会など開かれません。
運動会の応援に家族で参加するために徹夜で並んで場所取り(=酒盛り)をするからです。
12月も理事会などより、自警団が優先。テントを張って、ストーブ炊いて、夜警で回って、酒盛りです。差し入れも当たり前です。
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こうした地域での営業は、売る側が値段を決めるのではなく、管理組合が値段を決めるようにしてあげることが肝心です。
中小企業の技術者の集まりという点からも、上から言われることは聞きたくない、我々のことは我々で決めたがります。さらに「おせっかい気質」ということか、他人のことにも口を出したがります。
とにかく「自分たちが価格を決める主人公」というシチュエーションを整え、納得感を演
出することが大事。それがコンサルティング力といえるのではないかと思います。
(大規模修繕工事新聞 2013-9.5 No.45)