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年の初めの管理組合へのエール

◇ 会議ではWHY?を投げかける
 管理組合の運営は、取り組み方によって進展と行が顕著に現れる。大切なのは理念とビジョンであり、ごく少数の管理組合で明確にしているものの、多くの管理組合ではそれらを持っていない。ゆるりとでもいいから進展していきたいが、そのためにはポジティブで許しあえる管理組合運営を重視したい。相手の発言にWHYの投げ方をせずに、常に反対意見を言う状況もある。理由や背景などを、しっかりと把握し合いたい。

◇複眼を持って取り組む
 問題は、運営が退行していることが当事者には見えず、自分たちの主張こそが正しいと思い込む負のスパイラルに陥ることである。円筒状の茶筒を上から見ると円形であるが、真横から見ると円形であるが、真横から見ると長方形になる。同じ茶筒だが、見方によってまるで違って見える。どちらが正しいかではなく、部分的にはどちらも正しい。会議も同様で、どちらも狭小・偏屈にならずに自分の主張を別の窓から眺めて見たいし、それを見つけようとする行為が大切なのだ。

◇ 主体の預託行為と施主としての優位的立場の利用はやめよう
 管理組合自身で考えない結果、管理会社に依存することになる。管理の委託はよいが、主体の預託行為は、管理組合の退行促進以外の何物でもない。
 大規模修繕の設計コンサルや施工会社への、大幅値引き要求が散見される。彼らとはパートナーであり、無理強いの値引きによって彼らを萎縮させ、他の管理組合にとっても迷惑になる。自己の管理組合さえ得をすればよいといった考え方は狭小であり独善である。

◇利害関係者を見方にする
 管理会社、設計コンサルや施工会社に対しては、彼らを育てる気持ちがほしい。それによって、管理組合の仕事に熱心に取り組んでもらえる。実際にそのようにしている埼玉県のG管理組合は進展している。
 設計コンサルや施工会社への要求は高度だが、費用はその分かかることを承知している。理事や委員もビジネスで活躍し、必要な費用はかかることを熟知している。
Win-Winの考え方が必須である。これらも、会議によってしっかりと議論をし、考え方を共有し管理組合を進展させたい。

NPO日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2017年1月5日付第412号「論談」より
(NPO日住協論説委員会)

(大規模修繕工事新聞 第86号)