月刊「大規模修繕工事新聞」は、一般社団法人 全国建物調査診断センターが発行するマンションの適正な管理に役立つ管理組合向けのフリーペーパーです。コロナ過を契機に発行形態を紙媒体から全面的に電子版に移行いたしました。それにともない、これまで首都圏、関西圏のみの発行でしたが、ネット配信の強みを生かし、全国規模に拡大しました。当HPでは、「大規模修繕工事新聞」創刊から現在に至るまで、全ての記事をアーカイブ収録していますから、マンションの大規模修繕工事に関する情報やマンション管理組合に関する情報を右の<記事検索>にキーワードを入れるだけで表示させて、必要な記事を読むことができます。今後とも、マンション管理組合さまのお悩みに寄り添い適切な情報をお届けしてまいります。

Q42 専用ポーチでも自転車は置けないの?

 私は広い専用ポーチ(写真①)のある角部屋を気に入ってマンションを10数年前に購入しました。以来、家内や子供たちの自転車は専用ポーチに置いてきました。専用ポーチのスペースは20㎡ほどもあり、災害時の避難通路としても他の居住者の妨げになることはありません。
ところが近年、ラック式の上段に駐輪しづらい電動機自転車などを共用廊下に置く住戸がある(写真②)ことから、理事会で駐輪場使用細則を見直し、「保有する自転車は専有部分および駐輪場以外に置いてはならない」というルールが総会を通りました。
一部住民のマナーの悪さのために私たちの日常が変えられたようで納得いかないのですが…。

「ポーチ」や「アルコーブ」と呼ばれるものには、門扉によって区切られているスペース、門扉による区切りがなく共用廊下からセットバックして玄関があるスペースがあります。
質問者の専用ポーチは門扉で区切られているため、正確にはベランダ・バルコニーと同じく共用部分の専用使用部分となりますが、いずれも法的には共用部分となり、個人の使用は管理組合によって制限されます。
このため、管理組合総会で使用細則というルールが決まれば、それに従うほかありません。
ただ、質問者の専用ポーチはスペースもかなり広く、1.入居以来10年以上自転車を置いてきたこと2.避難経路として支障がないこと3.他の私物を置いていないこと等々、使用細則の作成にあたっては意見を述べることができたと考えられます。マンションによっては、美観を損ねず、簡単に取り除くことができるものを認めているところもあります。
また、管理組合としても注意喚起の対象は写真②の状況だったことでしょう。
マンションの決め事は、ルールありきではなく、住民の生活ありきが本来の姿です。普段からコミュニケーションをとって、管理組合活動に参加していれば違った結果が出ていたかもしれません。

(大規模修繕工事新聞 第87号)

(写真①)広いスペースがあっても、専用ポーチは共用部分の専用使用部分。管理組合のルールに従う必要がある

(写真②)共用廊下に置くことは防災上や美観上の観点から許容できるものではない