第22回R&R建築再生展2017が5月31日から3日間、東京ビッグサイト西1ホールで開かれました。出展企業は130団体を超え、来場者は3日間で約3万9,000を数えました。
建築再生展の中に設けられたマンション改修村にも弊紙関係企業が出展しました、
また、期間中は特別セミナーとして、「ストック活用施策」「マンションの生活継続力―東日本大震災と熊本地震の教訓―」「高強度コンクリートとそのメンテナンス―高層マンションの補修―」など、3日間で15講演が行われました。
その中から、「管理組合が取り組むKマンション(千葉市)の第3回目の大規模修繕」と題した講演の模様を採録します。
第3回大規模修繕工事実施のきっかけは2012年夏の台風時、C棟屋上階段のルーバーが14階から落下、その他にも腐食が目立つようになってきたことがあげられます。
同年、営繕専門委員会によりコンサルタントを採用する方向で検討を開始。ところが、翌年の大規模修繕計画進捗状況説明会において、コンサルタントによる設計・監理方式に反対意見が多数でました。このため、工事計画を1年延期としています。
その後、設計・監理方式や発注形態について説明。2014年の臨時総会、定期総会を経て、コンサルタント会社への承認を得ました。
「発注者にとって建設生産・管理システムの選択肢が増える」「コスト構成等の透明化が可能」といったメリットから、設計・監理方式への理解を住民に求めました。
これまでは元施工会社との随意契約。コンサルタントが入ることにより、複数社見積もり合わせ方式に見直すことができました。
Kマンションは海岸から近い立地(約2km)にもかかわらず、鋼製部材(手すり、門扉、屋外階段)が多く使用されていて、塩害の影響が大きくあります。鉄部塗装に多額の費用がかかることが管理組合の長年の悩みでもありました。
工事では、共用廊下・バルコニーの手すりはアルミ化を採用。強風も吹くため、風圧力資産には時間をかけて検討を行っています。
3回目の大規模修繕工事後には、共用部分がきれいになったことから、専有部分のリフォームを希望する住戸があり、11件でのリフォーム相談がありました。
今後は、給排水設備の更新、耐震化に関する課題が残されています。
マンション改修村 part.7 最新工法・製品を展示
マンション改修に必要な諸々の最新工法・製品を展示するブース「マンション改修村」は今回で7回目。弊紙に関わりのある企業では、コニシ(株)、(株)ダイフレックス、田島ルーフィング(株)、日本ビソー(株)、関西ペイント販売(株)、(株)スターテック、タキロンマテックス(株)、リノ・ハピア(株)等が出展参加していました。
(大規模修繕工事新聞91号)
足場ゴンドラの日本ビソー㈱は、大規模修繕工事で多く採用されてい るSSPシステムを紹介
大規模修繕や耐震改修を手がけ るリノ・ハピア㈱。ブースでは ウレタン塗膜防水の小型圧送機 「RAKUマシーン」を展示
関西ペイント販売㈱のブースでは 環境配慮形高性能塗料「アレス シックイ」の塗装体験を行うこと ができた
防水メーカーの田島ルーフィングは実演も含め、マンションのバルコ ニー改修に対する最新工法や各防水製品を紹介