横浜市旭区の左近山団地中央管理組合は6月18日、「左近山団地パークフェスティバルを開きました。管理組合では平成26年度より横浜市団地再生支援事業のもと、全国初の団地再生コンペティションなども行い、進めてきた『左近山ダンチパーク プロジェクト』が完成。村上欽也理事長の発声により、オープニングセレモニーを行いました。
今回の広場の工事では、中央地区集会所前のプールに木の板を張りウッドデッキの交流スペースにし、交通公園に芝生を敷き広場をつくりました。
団地パークへの主な「しかけ」は下記のとおり。
・住民みんなで作る「左近山ベンチ」「左近山ものづくりラボ」
・歩く目的をつくる「さんぽみち」「みち案内」
・すべり台だけの公園、車のおもちゃを集めたブーブー公園など、違う個性を持った「専門公園」
・団地内どこでもピクニック「左近山プレート」
・みんなで育てる「みちばた菜園」「みちばた花壇」「左近山植物図鑑」など
左近山ベンチや公園の芝張りは近隣の小中学生が手がけたそうです。コンペで審査員を務めた大学准教授は「芝生を張る、そこに絵を描く、その一つひとつが自分事にしていく第一歩。ここが自分の場所だっていうことにしていく入口です」とし、団地再生への最初のステップだと話しています。
管理組合では、今回の外部環境整備が住民交流やコミュニティの活性化、新たな子育て世代の流入などにつながっていくことに期待しています。
「団地再生」検討から現在までの経緯
〇H26.7
平成26年度「横浜市団地再生支援事業」に選定される
団地に居住する住民が中心となって、団地の課題や再生に向けた将来像を共有していくことを目的に、『住民発意の団地再生』を支援する事業。管理組合にコーディネーターを派遣し、団地の課題整理や助言、将来像を共有するための団地再生マスタープランの策定等の支援を行う。コーディネーターは横浜市住宅供給公社から派遣。派遣費用:無料。
〇H26.10~H27.3
管理組合の諮問機関である中長期計画検討委員会において、7回の会合を開いてアクションプランの検討を行う。
・関東学院大学・中津教授を交えての街歩き・環境整備の課題と目標の検討・外部空間の使い方の確認・空き家対策についての勉強・アクションプランの構成・賃貸リフォーム等の見学・アクションプランの取りまとめetc.
〇H27.2
平成27年度「横浜市マンション・団地再生コーディネート支援事業」に申請・受理される。コーディネーターは横浜市住宅供給公社。※横浜市登録のマンション・団地再生コーディネーター8団体から派遣される。支援期間:1年~3年、年間5回まで。費用:無料。
〇H27.10
管理組合主催による団地再生の実現に向けたコンペティションを実施。デザイン会社、大学研究室、マンション管理会社、建築士事務所、造園設計事務所など、24団体から応募があった。
〇H27.12
1次審査:審査委員による書類審査(非公開)
〇H28.1
2次審査(公開):応募者によるプレゼンテーション(9団体)および住民投票
最優秀賞は㈱スタジオゲンクマガイ提案の『左近山ダンチパーク プロジェクト』に決定
〇H28.5
管理組合総会にて工事費用を予算化
〇H28.7
近隣の小・中学生の意見を聞くワークショップなどを展開
〇H29.2
『左近山ダンチパーク プロジェクト』をベースに工事を開始
〇H29.6
『左近山団地パーク』が完成
左近山団地中央地区管理組合 所 在 地:横浜市旭区左近山 竣 工 年:1968年(昭和43年)1月竣工 建物概要:RC造5階建て・62棟・1,300戸 管理形態:自主管理
(大規模修繕工事新聞91号)
オープニングセレモニーは、中 央地区集会所前のプールを木の 板を張りウッドデッキで行った
アウトドアテントを張った芝生 の広場。芝張りは小中学生が手 がけた
大規模修繕や耐震改修を手がけ るリノ・ハピア㈱。ブースでは ウレタン塗膜防水の小型圧送機 「RAKUマシーン」を展示
関西ペイント販売㈱のブースでは 環境配慮形高性能塗料「アレス シックイ」の塗装体験を行うこと ができた
スラッグラインなど子供の遊び 用具も設置
3カ所に新設した縁台では野 点(のだて)や囲碁の対局、 ものづくりワークショップが 開かれた
近隣の小学生が描いたベンチ