10月19日、NHKの番組「クローズアップ現代+」で「追跡!マンション修繕工事の闇 狙われるあなたの積立金」と題して、大規模修繕工事のウラ側で設計コンサルタントが工事業者に巨額のバックマージンを要求しているといった内容が放映されました。
番組では関西の元工事業者が取材に応じ、コンサルタントへバックマージンを払わないと、次から他のコンサルタントへの出入りや取り引きもできなくなり、入札すらできなくなってしまうと答えています。
この業者によると、「入札に参加する業者はコンサルの裁量で集められる。入札額は、業者間での相談の上で、高値のままで維持」されているということです。
こうした問題が表面化したのは昨年11月、マンションリフォーム技術協会(marta)が発した「不適切コンサルタント問題への提言」にあります。
要点としては①割高な工事費②過剰な工事内容③不明朗な工事発注④甘い工事監理⑤不適切コンサルタントの拡大再生産⑥真面目なコンサルタントの減少⑦業界全体の信用失墜、です。
不適切コンサルタントが提示する費用の安さがバックマージンを発生させ、また管理組合も見積もり競争によってコンサルタントを決めるという姿勢が、問題の根本にあると指摘されています。
NHKの番組ではコメンテーターとして出演したノンフィクション作家の山岡淳一郎氏が「マンションに住んでいる方々の無関心・無知。情報共有というのがなされていない。これが大きいんじゃないか」と述べています。
やはり管理組合間の情報共有が大切なのです。全国建物調査診断センターが主催するセミナーや相談システムなどをぜひとも利用して、情報交換を行い、無関心・無知から脱却してほしいと思います。
これからのマンション管理は、管理組合同士の情報共有が「鍵」といえるでしょう。
※番組の詳しい内容はNHK「クローズアップ現代+」の下記ホームページから。
//www.nhk.or.jp/gendai/articles/4049/index.html
解説する山岡淳一郎氏(NHK放送番組より)
(大規模修繕工事新聞96号)