管理組合「修繕奮闘記」
File Data. 56 神奈川・座間市/セレナハイム相武台管理組
築17年目で初の大規模修繕
目だった劣化はエフロレッセンス
築17年目で初めての大規模修繕工事であったが、外壁タイル部分の爆裂やはがれなどは多くみられず、浮いているタイルについてはエポキシ樹脂の注入で済むケースが多かった。剥がれている部分は少なく、新築時にストックしていた既存タイルで補修を賄うことができた。建物の劣化は築年数ほど深刻ではなかったようだ。
問題点として顕著だった劣化はエフロレッセンス(白華現象)。コンクリートのひび割れから雨水が入り、コンクリートのアルカリ成分が水に溶けて白華している個所が見られた。
エフロレッセンスが見られたのは、外壁、バルコニー、共用廊下の天井のコンクリート、ひび割れはバルコニー床、共用廊下の手すりと会談の取り合い部分、窓などの開口部周辺のタイルに見られた。
劣化が進むと、コンクリートの中性化とともに、鉄筋が錆びて爆裂などにつながる。
このため、外壁の防水性能の機能回復を第一に考えたという。保護塗装に望ましい耐久性・耐候性のある使用材料や工法の選択を行い、改修基本計画を作成した。
その他、メーターボックス扉、パーテーション、外構回り鉄部等、鉄部に関しては全体的に補修・塗装を行った。
屋上・ルーフバルコニーの防水層の保護塗装が脆弱化し、チョーキングがみられた。共用廊下床の長尺塩ビシートには剥がれ、浮き、割れ等が、各戸のバルコニー床にも防水モルタル表面にひび割れが多く見られた。
11月16日㈯、近隣マンション管理組合が集い、工事見学会を行った。参加者は約20人。設計・監理者、施工会社から工事概要を一通り聞いてからヘルメットをかぶって足場に上がり、現場を見ながら生の説明を聞く。写真はその時の様子。
●設計・監理者:株式会社建物保全センター
〒221−0835 横浜市神奈川区鶴屋町3−35−11 ストーク横浜二番館504号室 ☎045−324−6152
代表者:福市博臣 設立:1986(昭和61)年12月 資本金:1,000万円 //www.k-tateho.jp
●施工者:シンヨー株式会社
〒210−0858 川崎市川崎区大川町8−6 ☎044−366−4771
代表者:森 哲夫 設立:1952(昭和27)年4月 資本金:5億円 //www.sinyo.com
(大規模修繕工事新聞 2014-1.5 No.49)