「大規模修繕工事新聞」は、一般社団法人 全国建物調査診断センターが発行するマンションの適正な管理に役立つ管理組合向けのフリーペーパーです。首都圏、関西圏の約30,000の管理組合に直接、無料で発送しています。また、同じ内容のメルマガ版は登録いただいた方に無料配信しています。当HPでは、「大規模修繕工事新聞」の過去から現在に至るまで、全ての記事を収録していますから、マンションの大規模修繕工事に関する情報やマンション管理組合に関する情報を左下の検索窓からキーワードを入れるだけで必要な情報を得ることができます。

この人に訊く/マンション管理士・佐藤成幸氏

佐藤成幸氏

(1) スケジュール設定・管理業務
・マスタースケジュールの作成
・各段階別スケジュールの作成
・上記スケジュールの運用と管理
・定期的な打ち合わせ(理事会)の開催
(2)工事会社の選定業務
・パートナーとなる工事会社選定条件の設定と推薦
(会社規模、実績、技術力、信用力等の総合的なバランスを判断する)
・パートナー会社選定のコンペ
(コンペ開催要項書の作成)
・各社コンペ用提出資料の比較・分析作業
(見積書、提案企画書の査定比較と評価)
・各社によるプレゼンテーション会の開催設定
(質疑書作成、プレゼン進行)
・最終選考パートナー会社選定に関わる評価と助言
(総合的評価による1社選定絞り込みの助言)

一般社団法人全国建物調査診断センター(全建センター、吉野笙一理事 長)がこのほどスタートさせた、大規模修繕工事の新発注方式「トータル マネジメント(TM)方式」。すでに同様な方式を用いて管理組合と業務契 約を結び、工事を成功させた実績のある人がいる。全建センターのセミナー でも講師を務める、一級建築士事務所リノシス・コーポレーションの佐藤 成幸氏(マンション管理士)だ。管理組合に対し「マンション管理の手法 については先入観を捨てたほうがいい」と助言する佐藤氏に、今後の大規 模修繕工事のあり方を訊いた。

―大規模修繕工事の新しい発注方式とは?
マンション大規模修繕工事の発注方式は現在、①管理組合と工事会社との間で工事請負契約を結び、工事会社に設計・施工・工事監理をすべて発注する「責任施工方式」、②設計・工事監理は設計事務所と委託契約を結び、施工は工事会社と請負契約を結ぶ「設計・監理方式」が一般的です。
全建センターがはじめた「トータルマネジメント(TM)方式」は、①の「責任施工方式」でありながら、全建センターが工事全体を管理するものです。②の「設計・監理方式」のように設計仕様書の作成や工事監理等は行わないものの、その分、工事費を低コストにでき、第三者の目も入るというシステムです。

―佐藤さんが実際に経験されたマンションでの経緯を教えてください。
4年前ですが、築20年40戸の管理組合から相談を受けました。2回目の大規模修繕工事を行うにあたって修繕積立金がないというのです。1回目ですでに借り入れを行って大規模修繕工事を行い、返済しながら2回目の時期を迎えたというのです。
1回目は管理会社にお任せだったので、今度は第三者を入れたい。しかしその費用がない。そういう相談でした。
そこで当時は「コンストラクションマネジメント契約」という名称でしたが、管理組合と大規模修繕工事に関する全般的なアドバイスを行う旨、業務契約を結びました。
全建センターの「トータルマネジメント(TM)方式」と同様、責任施工方式であるものの、第三者として工事全体に目を配る役割です。
―具体的にどのような業務をされたのですか?
あくまで設計・監理業務ではなくアドバイザー的な役割ですが、工事の全体像を把握する上で、スケジュール管理とパートナーとなる工事会社の選定に重点を置きました。
特にベースは責任施工方式ですから、工事会社は管理会社の良きパートナーでなければなりません。その当たりを理解してもらえるかどうかが選定のポイントといえます。

―新発注方式を採用するにあたってアドバイスすることは?
基本的な業務は全般的なアドバイスでしたが、結果的に工事費用の節約はもとより、この方法でも品質の良い工事ができたことで、管理組合のみなさんに喜んでもらえました。
ポイントはパートナー会社選定する際、品質管理部の社員によく話を聞いたことだと思います。
一般的にプレゼンテーションでは現場代理人にスポットを当てますが、現場代理人個人の力量もさることながら、会社本来の技術力もさらに重要です。会社の品質管理体制に信頼を置いたことで、管理組合にとって費用対効果がもっと高まったと言えました。

それぞれのマンションにとって、どのやり方が当てはまるかはまちまちだと思います。
大規模修繕工事はこれからますます多様化していくでしょう。
考え方を固定化するのではなく、先入観を捨て、自分たちのマンションに適した方法を知るためにも、セミナーや勉強会等に参加して情報収集することは大切だと言えます。

(大規模修繕工事新聞 105号)

〈これまでの一般的なやり方〉

〈新方式〉


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