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「知らなきゃ損するマンション管理入門」管理組合のおカネにまつわる話③

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知らなきゃ損するマンション管理入門

管理組合のおカネにまつわる話③

「支出を減らす方法」(管理委託費、水道光熱費編)

「収入を増やす方法」の次は、「支出を減らす方法」です。
管理組合の支出は主に、①管理委託費②水道光熱費③設備のメンテナンス費④損害保険料に分けられます。
①管理委託費とは、(1)管理組合会計および出納等にかかる事務管理業務、(2)管理員業務、(3)清掃業務、(4)建物・設備管理業務を管理会社等へ発注し、その対価を支払う費用のことです。
管理組合が自主管理できれば、管理会社へ払う委託業務費用はなくなりますが、一般的には管理会社に対して「全面管理」を委託している管理組合が8割を超えると言われています。
ただし、自主管理までいかなくても、各業務を分離発注している管理組合も少なくなく、各種設備業者と直接契約をすることで、管理会社へ支払う経費を節約しているケースもあります。
また、住民でできる植栽管理の個所は住民の有志が行う、管理員を住み込みから通勤にする、清掃員の出勤回数を毎日から週4回に減らす、毎月の設備点検を2か月に1度にするなど、委託内容の見直しによって支出の削減を実行している管理組合も多くあるようです。

気をつけたいのが、管理会社変更を利用した委託費の削減です。安易な値下げは管理の質の低下を招きます。まずは契約内容の把握・確認をしてから無駄(過剰サービス)を省く仕様に変更するなど、管理会社と交渉することが大切です。

次に支出を減らす対象となるのが、②水道光熱費の中の主に電気です。
実際の削減例としては、共用廊下等にある電灯の間引き、LED照明への切り替え、電子ブレーカーの導入、電力一括購入サービスの導入などがあります。
電力一括購入サービスは共用部分で20%以上の削減効果があると言われていますが、サービス導入には全戸の契約切り替えなどが必要なため、各戸への説明、合意形成をしなければなりません。
直結給水方式へのシステム変更によるポンプの撤去、機械式駐車場の撤去など、③設備改修によりメンテナンス費等の削減ができた管理組合もあります。
共用部分にかかる電気代・メンテナンス費は必要か不要かを見極めると、大きな削減効果があるようです。

(大規模修繕工事新聞 2014-1.5 No.49)


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