①マンション標準管理規約のコメントは絶対ではない。
②管理規約を整備すれば支出は可能と考えられる。
<参考図書>
『マンション管理組合のトラブル相談Q&A』
著者/中村宏弁護士・濱田卓弁護士
発行/民事法研究会
A5判・301ページ
定価/ 3,100円(税別)
2019年2月発行
ISBN:978-4-8655-6271-2
管理組合は主として、共用部分の管理のために、組合員からお金を徴収して、日々の管理に充てたり(管理費)、 定期的な大規模修繕工事工事に充てています(修繕積立金)。
マンション標準管理規約21条関係のコメント⑧でも「配 管の清掃等に要する費用については、第27条第3号の『共用設備の保守維持費』として管理費と充当することが可能であるが、配管の取り替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである」と述べています。
しかし、専有部分である横引き管からの漏水事故の回避を考えると、専有部分であるというだけで横引き管の改修のための修繕積立金の支出を否定することは、不合理というほかありません。
また、管理組合の団体としての性格を強調する現行の区分所有法のもとにおいては、管理組合の実質的な財産である修繕積立金の支出先についても、広く団体自治が及ぶと考えるべきです。
このため、管理規約に必要な規定を置いていれば、専有部分である設備の改修費用を修繕積立金から支出することは許されると考えるべきです。
※ 修繕積立金の支出を許容するための規定例は、<参考 図書>『マンション管理組合のトラ ブル相談Q&A』をご覧ください。
(大規模修繕工事新聞 113
号)