東京都中小企業技能人材育成大賞知事賞 株式会社繕が大賞を受賞
東京都産業労働局は令和7年10月、令和7年度「東京都中小企業技能人材育成大賞知事賞」を発表し、マンション大規模修繕工事を手がける全建センター会員工事会社・株式会社繕(本社東京・葭葉恒成社長)が大賞に選ばれました。
この表彰制度は、「中小企業等における技能者の人材育成と処遇・地位向上を図ることにより、東京の産業の活性化と、競争力のある東京のものづくり産業及びサービス産業を築くことを目的とする」とされています。
//www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/monodukuri/hyosho/jinzai_ikusei/
大賞受賞企業 1社
◆「株式会社繕」 <建設・建築部門:建設業>
//zen-re.co.jp
葭葉社長のインタビュー記事は1月号に掲載します。
管理組合修繕奮闘記「補助金活用<窓サッシ断熱改修工事>」川崎・鷺沼ライラック管理組合

2022年、築42年目で行った第3回大規模修繕工事の際、3年後の窓サッシ断熱改修工事に向けたアンケートを実施しました。
この結果、南側窓サッシの不具合件数は96件。総戸数が90戸であるため、1戸で2、3個所劣化していると回答していることがわかりました。
北側の窓サッシの不具合件数は62件。総戸数の2/3程度でしたが、長期修繕委員会では「客観的に考えて経年劣化が確実に進行している」と判断しています。

2025年3月、長期修繕委員会では、「窓サッシ断熱改修工事」について、実に6回の居住者説明会を行いました。
「宅内工事で、居住者全員に対する説明が必要だった」といいいます。内容は近年の気温の異常な上昇、暑さが招く健康リスク、家が暑いマンションの断熱法、断熱改修の省エネ効果など。当然、管理組合の長期修繕計画シミュレーション、資金繰りなど、各戸の費用負担がないことも含めて組合員に理解を求めました。
2025年8月には工事を実施する前提で、施工会社による工事説明会を4回開いています。3月の合意を得るための説明会、そして8月の施工前の工事説明会と、とにかく組合員、居住者に対する情報をどこまでも行き届かせるかということを何より大切にしていることがわかります。この説明会は、Zoom meetingでも配信されました。
施工会社は4社のうちから㈱LIXILリニューアルに決まりました。
改修の流れ(取り付け工程)は図のとおり。既存のガラス障子を取り外し、既存枠の端部にシーリング材を充填。サッシ取り付け用の専用補強材をビス止めしたあと、新規枠を吊り込み、建て込み調整します。
実際の施工は1世帯あたり半日程度。調査、工事の2回、立ち入り工事なので、在宅協力が必要となります。
1日4、5件。工事は重たいサッシの搬入があるので、なるべく階段系統で同じ日に進めていくことが理想です。施工性(作業効率)がよければ工事の進捗がスムーズとなります。

建物外観


サッシ改修の流れ
施工当日は、玄関からサッシまでの通路の確保、作業スペースの確保が必要です。ベランダ側にある荷物の移動もお願いすることになります。

施工時の注意事項
補助金に関しては、環境省の断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業(先進的窓リノベ2025事業)を検討したのですが、本事業を利用すると窓サッシ自体、非常に高性能で高価格な製品が対象となります。
今後の修繕計画で必要な予算(資金繰り表)などを検討した結果、環境省の「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」(既存住宅の断熱リフォーム支援事業)を活用することとし、補助金対象ガラス「Low-E複層ガラス」のLIXIL製品を選択しました。
また、同時に川崎市の補助で固定資産税の減免制度があることが判明し、申請しています。この件に関して、長期修繕委員会では「日頃から情報収集をしていたからこそ気づいたこと」と話しています。
国や自治体では、遅れている住宅への省エネ化を進めたいという思惑があるようですが、制度自体が複雑でよくわからない面もあります。
LIXILなどの専門業者から、施工を決める前の段階で、補助金を受けるためのスケジュール等の相談、または情報収集の協力を得ておくことが望ましいと言えます。

居住者へのお願い①

居住者へのお願い②

補助金①

補助金②
冬の暖房時、熱が開口部(窓)からひげ出す割合は48%と言われています。
今回の窓サッシ断熱化(アルミサッシ+複層ガラス)で、冷暖房費の削減効果は年間約4,200円。
冬を迎える時期、これから鷺沼ライラックでは居住者の反応が楽しみと言えるでしょう。

サッシ改修のメリット①

サッシ改修のメリット②
第77回管理組合オンライン・セミナー採録 ・区分所有法改正のポイントと実務対応策

一般社団法人全国建物調査診断センターが10月26日に配信開始した第77回管理組合オンライン・セミナーの要約を採録します。今回は山村行弘弁護士が講師を務めた第1部「区分所有法改正のポイントと実務対応策」を採録します。
視聴動画は下記URLよりVimeoとYouTubeで公開しています。
//zenken-center.com/77sem1026/
■2025年改正の主要ポイント
令和7年5月23日、老朽化マンションなどの管理および再生の円滑化などを図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律が成立しました。
この法律は、マンションをはじめとする区分所有建物が高経年化し、居住者も高齢化する2つの老いが進行しているという社会経済情勢などを考慮して、マンションの新築から再生までのライフサイクル全体を見通してその管理および再生を円滑化するため、区分所有法制の見直しを行うことなどを内容とするものです。
この法律は、いわゆる区分所有法をはじめ、被災マンション法、マンション管理適正化法、マンション建て替え円滑化法などを一括して改正するものとなっていますが、このうち、区分所有法および被災マンション法の改正に関する部分については、来年、令和8年の4月1日から施行されます。
管理の円滑化と再生の円滑化を2本柱に改正が行われましたが、管理の円滑化としては、集会決議の円滑化、財産管理制度の創設、専有部分の管理の円滑化があげられます。
再生の円滑化としては、建て替え要件の緩和、共用部分の変更の緩和があげられます。
■集会決議の円滑化
従来、総会における決議は、区分所有法や規約に特別の定めがない場合、普通決議事項では区分所有者および議決権の各過半数で決することとされており、すべての区分所有者およびその議決権を母数とすることとされていました。
集会に参加しない方や、議決権をあらかじめ何も行使されないような方は決議においてカウントできず、実際は反対者と同じように扱われていて、そういった方がおられるとなかなか必要な決議を円滑に行うことができないという問題がありました。
このような不都合を踏まえ、改正法では、建替え決議など区分所有権の処分を伴うような決議を除いて、決議の要件を集会出席者の過半数に変更しました。
これは無関心な区分所有者を決議の母数から除外する仕組みですので、事前に議決権を書面で行使したり、委任状を出したり、代理人を立てて議決権行使するなどといった方は、決議の母数に含めることとされています。
次に、所在不明区分所有者についてこれは区分所有者を知ることができず、またはどこにおられるのかその所在を知ることができないような場合、そのような区分所有者は集会に出席して議決権を行使することは期待できないわけですが、このような区分所有者も従来、集会の決議においては反対者と同様に扱われてしまっていました。
そこでこのように区分所有者がわからない、またはその所在がわからないという場合は、当該区分所有者以外の区分所有者や管理者が裁判所に請求して裁判所が所在等不明区分所有者と認定した場合は全ての決議の母数から除外するという仕組みが設けられました。
この所在等不明区分所有者に認定されると、集会での議決権がないということになりますので、集会の招集通知すら送らなくてよいということになります。
改正前と改正後で比較しますと、例えば区分所有者数が100人で議決権も100個だったとします。
これまでは過半数の51の賛成がなければ可決できませんでした。
例えば出席者が30人、議決権公示者15人、委任状15人、無関心欠席者35人、所在不明者5人という内訳の場合、仮に出席者や議決権行使者、委任状提出者の合計60人のうち賛成が51に達していれば可決できるのですが、出席者や議決権行使者のうち15人が反対に回ると賛成は45人となり、可決することはできません。
しかし改正後は、無関心欠席者と所在不明者が母数に入らず、出席者と議決権行使者、委任状提出者の合計60人が母数となるので、31の賛成で可決されることとなります。
出席者や議決権行使者のうち15人が反対に回ったとしても可決することができることになります。
■財産管理制度の創設
所有者が不明な専有部分や管理が不適当な専有部分、共用部分に対して利害関係者が裁判所に申し立てると裁判所が管理者を専任し管理を命ずる制度が創設されました。
所有者不明専有部分とは、相続放棄や住所変更見届などで区分所有者が所在不明で適切な管理がなされず、建物の管理に支障が生じているような場合です。
管理不全専有部分としては、例えばゴミ屋敷のような状態になっている部屋や専有部分の配管が腐食したまま放置されているような場合で、それによって他人の権利や法律上保護される利益が侵害されている、またはその恐れがある場合を言います。
管理不全共用部分としては、共用部分である外壁が剥落する恐れがある場合や、共用部分である廊下やテラスに危険物や悪臭を放すゴミが放置されているような場合で、それによって他人の権利や法律上保護される利益が侵害されている、またはその恐れがある場合を言います。
このような状況が生じている場合、管理組合や区分所有者、地方公共団体などの利害関係人は裁判所に管理人の選任を申し立て、裁判所が選任した管理人が適切な管理を行っていくこととなります。
管理人は弁護士や司法書士、マンション管理士などの専門家が選ばれ、修繕などの管理行為のみならず、裁判所の許可を得た上で、売却などの処分行為も行うことができます。
■専有部分の管理・保存の円滑化
共用部分と専有部分の一括更新という点について、典型例でいうと、その建物全体を通っている配管を全面的に一括して更新するという場合があげられます。
法律上は建物全体を通っている給排水管について、共用部分を通っている部分については共用部分に属し、専有部分を通っている部分については専有部分に属すると考えられています。
このことから配管を全部更新するためには共用部分について、普通決議あるいは変更行為として特別決議を経て、それに加えて専有部分については、その区分所有者個々の同意が必要ということになるわけです。
しかし、専有部分についても一括して更新することが経済的にも工事の負担の手間的にもメリットが大きいということから、規約に特別の定めをすることによって、共用部分の変更と同時にする専有部分の保存改良行為については、集会の決議の多数決で行うことができるという制度が設けられました。
次に、専有部分の保存請求ですが、現行法において、他の区分所有者はその専有部分または共用部分を保存し、または改良するために必要な範囲内において、事故以外の区分所有者の専有部分の使用を請求することができるとされています。
例えば、上の階から水漏れがしてきたような場合に、上の階の住戸に立ち入ってその床を這いでみないと原因がわからない修理ができないというような時に、上の階の住戸に立ち入りの承諾を請求する権利です。
しかし、同請求権はあくまでも専有部分の使用を認める旨の規定であることから、専有部分にある給配水管の補修といった保存行為を行うことができるかは必ずしも明らかではありませんでした。
そこで、改正法では、専有部分の使用だけでなく保存を請求することができることとなりました。
■国内管理人制度
近年の国際化の進展により、区分所有者がその建物に居住しておらず海外に住んでいるというようなケースも増加しているほか、外国人が投資目的で国内不動産を所有するケースも増えています。
そのため、管理組合側で必要な連絡を取ろうとしても、区分所有者の連絡先が不明であったり、通知が届かないケースが増大し、管理に支障が生じ対策が必要となりました。
そこで、改正法では、区分所有者が国内に住所または居所を有しないときは、国内に住所などを有する管理人を選任することができることとしました。
これを「国内管理人制度」と言います。なお、国内管理人の設置は法律上の義務ではありませんが、規約において義務付けることは可能とされています。
■建替え等の合意形成要件緩和
これまでマンションの建て替え決議については多数決要件が区分所有者および議決権の各5分の4以上とされていました。
そのため、改正の経緯で述べた2つの多いという状況に照らすと、要件が厳格であることにより、必要な建て替えを迅速に行うことができないなどといった不都合がありました。
そこで、改正法では、原則的な多数決割合は現行規定の5分の4を維持しつつ、一定の客観的自由がある場合には多数決割合を4分の3に引き下げています。
ここで言う一定の客観的自由とは、耐震性の不足、火災に関する安全性の不足、外壁などの剥落により周辺に危害が生じる恐れ、給排水管などの腐食などにより著しく衛生上有害となる恐れ、バリアフリー基準への不適合などを言い、基準の詳細は法施行までに法務省令で規定することとされています。
またこの決議においては裁判所が認定した所在不明。区分所有者を決議の母数から除外することができます。
このことで、これまでは反対票として扱われていた所在不明者について母数から除外できるので、必要賛成数を減らすことができるようになりました。
■共用部分の変更決議要件の緩和
共用部分の変更決議については、現行制度では所有者および議決権の4分の3以上の賛成が必要ですがこの、要件を満たすことは容易でなく、必要な工事などが迅速に行えない場合があります。
そこで、特定の事由がある場合における共用部分の変更については、3分の2以上の賛成に緩和されることになりました。
特定事由とは、バリアフリー化を進める場合や、耐震性、防犯性を向上する場合、建物の設計や施工上の欠陥箇所の構造の変更を行う場合があげられます。
なお、先ほどご説明しました所在不明区分所有者については、建て替えなどの時と同様に、裁判所の認定により決議の母数から除外することができます。
■実務への影響とまとめ
実務の影響としては、まず既存の管理組合が改正法と齟齬がある場合は管理規約を見直して必要に応じて改正作業をなされることをお勧めします。
また集会の運営方法につきましても、来年の4月からは出席者を母数とする多数決に変わっていきますし、所在不明区分所有者の認定などもありますので、賛成票がいくつあれば可決されるのかなどといった点を総会の度にしっかり確認していくことが大事だと思います。
次に、議題提案のタイミングですが、これは来年の4月1日の前後で従来だったら否決される議題が出席者の過半数で可決されたりするので、どういうタイミングで議案を提案するのかということも考えていく必要があると思います。
管理組合向けの対応としては、理事の皆様からあるいは我々のような専門家を呼んで、管理組合の皆さんに改正法の説明会を開催することをお勧めします。
また先に述べましたが、管理規約も必要に応じて改正を行う準備が必要になるものと思います。
特に法律の強行規定は管理規約に優先し、改正法とそごのある管理規約は無効となる場合もありますので注意が必要です。
所在不明区分所有者についても、これを裁判所に認めてもらうためには、様々な準備が必要になりますので、それを進めておくことに越したことはないと思います。
また、今後の改正に関する動向は、国土交通省や法務省のホームページ、マンション管理センターや自治体の窓口などでも伺うことができますので、新たな情報をキャッチアップできるようにしておくとよいでしょう。
名誉毀損文書頒布行為等停止請求控訴事件 ・平成24年1月17日最高裁


【事件の概要】
神奈川県藤沢市のマンション管理組合の代表者が区分所有法6条「区分所有者の共同の利益に反する行為」を繰り返す所有者に対し、同法57条に基づく行為に差し止めを求めた訴訟の上告審で最高裁第3小法廷は管理組合側が敗訴した二審判決を破棄し、東京高裁に差し戻しました。
管理組合側が訴えた区分所有者の迷惑行為は、
①理事長を誹謗中傷するビラの配布
②役員が管理組合資金を運用しているとする文書の配布
③工事業者の現場事務所での業務妨害
④理事長や役員に対する暴行など。
1審横浜地裁、2審東京高裁では上記の行為に対し、「騒音や振動、悪臭のように建物の管理・使用にかかわるものではない」ことから「共同の利益に反する行為には当たらない」として管理組合の請求を棄却していました。
最高裁の判断では、区分所有者の迷惑行為が管理組合役員らに対する個人攻撃にとどまらず、管理組合の業務の遂行や運営に支障が生じているという管理組合側の主張に対し、下級審ではマンションの正常な管理や使用が阻害されているかなどの点について、「審理判断されていない」とされました。
このため原判決を破棄し、管理組合の請求が法57条の要件に満たしているか、さらに審理を尽くさせるため東京高裁に差し戻しが下されました。
最高裁の見解
●(区分所有者の)各行為は、本件管理組合の役員らに対する単なる個人攻撃にとどまらず、それにより、集会で正当に決議された本件マンションの防音工事等の円滑な進行が妨げられ、また、本件管理組合の役員に就任しようとする者がいなくなり、本件管理組合の運営が困難になる事態が招来されるなどしているのであって、本件マンションの管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為であり、これが違法であることも明らかである。
●法57条に基づく差止め等の請求については、区分所有者が業務執行に当たっている管理組合の役員らを誹謗中傷する内容の文書を配布し、マンションの防音工事等を受注した業者の業務を妨害するなどする行為は、それが単なる特定の個人に対する誹謗中傷等の域を超えるもので、それより管理組合の業務の遂行や運営に支障が生ずるなどしてマンションの正常な管理又は使用が阻害される場合には、法6条1項所定の「区分所有者の共同の利益に反する行為」に当たるとみる余地があるというべきである
区分所有法関連条文
(区分所有者の権利義務等)
第6条第1項
区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。
(共同の利益に反する行為の停止等の請求)
第57条第1項
区分所有者が第6条第1項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。
新刊紹介/『ある行旅死亡人の物語』

行旅死亡人(こうりょしぼうにん)…病気や行き倒れ、自殺等で亡くなり、名前や住所など身元が判明せず、引き取り人不明の死者を表す法律用語。
令和2年4月、兵庫県尼崎市のアパートで、「年齢75歳くらいの女性」が、「絶命した状態で発見された」。本書は、こうした「行旅死亡人」が本当の名前と半生を取り戻すまでを共同通信大阪社会部の記者が追ったノンフィクションである。
マンション関連法規では、令和6年6月マンション標準管理規約改正において、理事長は理事会の決議を経て、区分所有者等の所在等の探索をすることができる規定が新設された。
来年4月施行の改正区分所有法においても、区分所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができない専有部分について、裁判所が所有者不明専有部分管理人による管理を命ずる処分(所有者不明専有部分管理命令)する制度が創設される。
区分所有者が孤独死した場合、管理費等の請求先が不明となるケース、専有部分の管理不全が放置されて住環境の悪化を招くケースが想定され、管理組合としての対策を、理事会は取らなければならない。
本書のような「物語」がマンションでのリアルになる可能性は、十分にある。
著者/共同通信大阪社会部:武田惇志、伊藤亜衣
発行/毎日新聞出版株式会社
判型/四六判・216ページ
定価/1,760円(税込)
第1刷/2022年11月30日
第5刷/2025年05月25日
ISBN: 978-4-620-32758-7
(リンク)
//mainichibooks.com/books/nonfiction/post-593.html
詐欺の詐取金、不正薬物の送付先に空き家を悪用 ・マンションでも犯罪防止対策の取り組みを
警察庁および財務省は、空き家を特殊詐欺の詐取金や不正薬物の送付先(受け取り場所)として悪用するケースが増加しているとして、注意喚起を促しています。
空き家を悪用する手口について、警察庁等が発表している具体例は下記のとおりです。
例1
・空き家(空き部屋)の郵便受け(集合ポスト)に架空の表札を貼付し、その後、投函された不在連絡票を抜き取り、宅配業者、郵便局等から現金や不正薬物等が入った荷物を受け取る。
例2
・電気、ガス等のメーターボックスに保管された内見用の合鍵を用いて、空き家(空き部屋)に侵入し、住人になりすまして現金や不正薬物等が入った荷物を受け取る。
例3
・複数の空き家(空き部屋)で、同じ暗証番号を流用していたため、犯罪組織がその暗証番号を把握し、空き家(空き部屋)に入り、入居者を装い荷物を受け取る。
賃貸アパートが犯罪グループの活動拠点としてクローズアップされがちですが、当然ながら空き家が目立つ管理不全マンションでも十分拠点として悪用が可能です。
また、大規模団地、タワーマンションにおける大規模修繕工事の「なりすまし」問題があるように、住民間のコミュニティーが隅々まで行き届かないマンションでも注意が必要といえます。
こうした空き家を悪用したマンションでの犯罪対策では、一番の効果は当然コミュニティーの醸成です。そして、そのためにも組合員名簿、居住者名簿の作成が手始めとなるのではないでしょうか。
マンション標準管理規約(令和7年10月17日改正)では、組合員名簿等の作成(31条の2)について、「理事長は、組合員名簿及び居住者名簿を作成して保管しなければならない」とする規定があります。
居住者名簿(組合員以外の賃借人、その同居人等も含む)の作成に当たっては、災害時における避難の支援や安否の確認等の観点から事前に高齢者や要介護者を把握することを目的にしています。
ただし、居住者名簿の目的は災害時だけでなく、よりよい住環境を確保するためにも重要です。
19条(専有部分の貸与)では、その専有部分を第三者(賃借人)へ貸与する区分所有者に対し、以下の取り決めがあります。
2項 契約の相手方にこの規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨の誓約書を管理組合に提出させなければならない。
3項 第三者に専有部分を借用した旨の届出を管理組合に提出させなければならない。
この19条2項、3項で注目すべきは、賃貸に出す外部区分所有者が管理組合に提出するのではなく、外部区分所有者が貸与する第三者に、誓約書と届出を提出させる、という決まりです。賃借人本人にもしっかり居住ルールを守ってもらわなければならないことを規約で定めているわけです。
「他人に貸すのなら、きちんとした人を選んでほしい」というのが、居住する区分所有者の当然の主張であり、外部区分所有者の責任でもあるといえます。
19条には続きがありまして、19条の2(暴力団員の排除)専有部分の貸与に関し、暴力団員への貸与を禁止する旨が定められています。規約のコメントでは「暴力団排除条例を参考に規定することが考えられる」とあります。
19条で、居住ルールを守ってほしいと想定していた「第三者」は暴力団員でした。
しかし、いまや暴力団ばかりが恐怖かと言えばそうではありません。詐欺の元締めは、普通の若者を巻き込み、そして高齢者をターゲットに、市民生活に入り込んできます。
そうであれば、暴力団だけでなく、特殊詐欺を含めた犯罪グループをも対象とする規定を盛り込み、マンションにおいても特殊詐欺、不正薬物等の犯罪防止対策に取り組むべきではないでしょうか。
大規模修繕工事のなりすまし問題も同様です。
悪人はどこにいるのかわかりません。そして、いつでも隙を突いて弱い者を狙ってきます。
来年4月1日に施行される区分所有法の大改正があり、マンション標準管理規約も大幅に改正されました。
この機会に、規約条文を丁寧に見返し、犯罪グループに利用されることのない、住環境を守るための管理規約の見直しをされることをおすすめします。
<全建センター・大規模修繕工事新聞論説委員会2025/12/02>
『マンションAI』活用術③ 『マンションAI』に相談し『マンションAI』に相談してみよう!
マンションAI』に相談してみよう!
現在、全建センターの『マンションAI』は数多くのマンションの理事、あるいは組合員からご質問が寄せられ、それに対してマンションAIが回答している、という実例があります。
このコーナーでは、実際にこの数カ月の間に管理組合の皆さんが『マンションAI』を活用されている実例を紹介します。
【監修】全建センター筆頭理事・佐藤成幸
Q 大規模修繕工事で使う接着剤でアレルギー反応を起こしてしまう人への対策は?
A 大規模修繕工事で使用される接着剤や塗料などの化学物質に対してアレルギー反応を起こす人への対策について、以下のような対応が考えられます。
1. 事前の情報共有と住民への配慮
事前説明会の実施:工事開始前に住民説明会を開き、使用する接着剤や塗料の種類、成分、揮発性有機化合物(VOC)の有無などを説明します。
アレルギーの有無の確認:住民に対してアレルギーや化学物質過敏症の有無を確認し、該当者がいる場合は特別な配慮を行う旨を伝えます。
2. 低刺激性の材料を使用
低VOC製品の選定:揮発性有機化合物(VOC)が少ない、または含まれていない接着剤や塗料を使用することで、アレルギー反応のリスクを軽減します。
無臭または低臭の製品:臭いが少ない製品を選ぶことで、住民の不快感を軽減します。
3. 工事中の換気と空気清浄
十分な換気:工事中は窓を開ける、換気扇を使用するなどして、化学物質が室内に滞留しないようにします。
空気清浄機の設置:必要に応じて、空気清浄機を設置し、化学物質を除去します。
4. 工事スケジュールの調整
住民の不在時に作業を実施:アレルギーを持つ住民が不在の時間帯に作業を行うようスケジュールを調整します。
一時的な避難の提案:特に敏感な住民には、工事期間中の一時的な避難を提案することも検討します。
5. 住民との連携
住民の意見を反映:アレルギーを持つ住民の意見を聞き、可能な限り対応策を講じます。
緊急連絡体制の整備:万が一、アレルギー反応が発生した場合に迅速に対応できるよう、緊急連絡先を共有します。
6. 専門家の助言を仰ぐ
医師や専門家の意見を参考にする:アレルギーを持つ住民がいる場合、医師や化学物質過敏症の専門家に相談し、適切な対策を講じます。
7. 工事後のケア
残留物の除去:工事後に接着剤や塗料の残留物がないよう、徹底的に清掃を行います。
空気の入れ替え:工事後も十分な換気を行い、化学物質が完全に拡散するまで注意を払います。
これらの対策を講じることで、アレルギー反応を起こす可能性を最小限に抑えることができます。工事業者や管理組合が住民と密に連携し、適切な配慮を行うことが重要です
季節の空読みと流行病

今年の冬は例年に比べて寒気が入り込みやすく、ドカ雪が降りやすい予報が出ています。この原因は日本近海の異常な海水温の高さ(平年より2℃も高い)と、偏西風の蛇行が激しく寒気が南下する事で、海面から昇る暖かい空気と上空の寒気とが入り混じり、雪を降らせる雲が次々に作られるためです。今年の酷暑に温められた海水は、水の性質上なかなか冷めません。
また、赤道域の成層圏で約2年周期で東西の風向きが入れ替わる、成層圏準2年周期振動という現象があるのですが、この冬は東風が卓越し、北極での極渦がばらけて安定しないために、偏西風が大きく蛇行してしまうのです。
さて、ここのところ朝晩と日中の寒暖差が非常に激しい事も、体には大変な負担になっています。長く続いた酷暑により、免疫力も体力も低下しているところへ、この寒暖差で自律神経は大いに乱れています。
例年であれば、インフルエンザのピークは12月下旬〜翌年2月がピークであるのに、すでにインフルエンザも新型コロナ、オミクロンの変異株であるニンバスも小流行しており、ピークが前倒しになり長く続く事が予想されます。また、お子さんを中心に、RSウイルス、A型溶連菌、突発性発疹、流行性耳下腺炎、感染性胃腸炎も増加しています。
中医学では、気候と私達の体には密接な関係があり、昨今の激しい気候や嵐や大雨、大雪のような擾乱が起きる時には、私達の体も非常に不安定になり、免疫力が低下するとの教えがあります。是非、今のうちから感染症にかからない体作りを実行なさってください。 この冬を乗り切る養生・・・・・・
1、体に慢性炎症を作らないことがとても大切です。慢性炎症の原因となる4毒(小麦、乳製品、植物油脂、甘いもの)を極力減らしてください。
2、血糖値スパイクは自律神経を大きく揺さぶります。血糖値スパイクの原因になる、ドカ食い、早食い、ムラ食い、炭水化物の爆食、空腹時の甘いおやつは控えましょう!
3、ウイルスから身を守る免疫細胞、炎症を覚ましてくれる酵素反応など、すべてたんぱく質から作られますので、毎食しっかりタンパク質を摂ることを心がけてください。
4、普段から暑さ寒さに弱い、気圧の変化に影響されやすい方は、低血圧、低血糖、貧血、筋力不足などエネルギー不足であることが多いです。
5、これからは運動に適した季節になります。体を動かす事、入浴で体を温める事、十分な睡眠をとることはすべて解毒につながります。運動や入浴前にタンポポ茶を服用して解毒力を高めてください。
(薬剤師・国際中医師・国際薬膳師 高田理恵)
<おもしろコラム提供>//omosiro-column.com/
マンション高齢化問題は、具体的には「組合員の認知症増加問題です。」
難しいテーマだと先送りしている時間はすでに無くなりつつあります。
積立金不足や管理組合役員のなりて不足に加え、組合員の認知症患者の増加問題をテーマにしました。
解決の糸口として多くの皆様のセミナー参加をお待ちしています。
詳しくはバナーをクリックして、専用HPをご覧ください。






































