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管理組合は危機意識をもとう

管理組合は危機意識をもとう

NPO日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2020年9月5日付第456号「論談」より

■万が一に備えよう
管理会社に管理を委託している場合、何から何まで管理会社が行うものだと思っているマンション住民もいる。管理の主体は管理組合であり、区分所有者自身であるが、賃借人やホテル住まいのような感覚になっていないだろうか。
マンションには、自然災害・火災・漏水・外壁タイル落下・機械式駐車場の事故・構内交通事故・転落事故・感染症など、立地や設備を含め多面的な危機・危険が存在する。その対策には管理組合自身が衆知を集め、万が一に備えておきたい。
■逗子の崩落事故の教訓
神奈川県逗子市の築16年38戸のマンション敷地のの土砂が崩落し、通行中の女子高生が死亡した事故が2月に発生した。
6月、遺族側が同マンションの区分所有者に対し、安全対策を怠っていたとして損賠賠償を請求した。崩落現場は土砂災害警戒区域に指定されている。
県警本部は、現場は「大きな石と砂地が混じっていて滑りやすい状態と見受けられた」としている。
 今回の崩落原因について、現地調査を行った国土交通省国土技術政策総合研究所は3月に最終報告を発表。「水による流動・崩壊ではない」と指摘し、直接的な引き金は不明としつつ「地表面の低温、凍結、強風の複合的な作用で風化が促進された」などと結論づけている。
■事前措置を考える
 遺族側は同研究所の調査結果を踏まえ、崩落が発生しないように安全性を確保するための斜面の管理がなかった結果、事故が起きたなどと訴えている。
 国土交通省によると、今年1〜6月に全国で発生した崖崩れなどの土砂災害は194件で、神奈川は28件と全国最多。記録的な大雨が続いた7月には三浦半島を中心に県内だけで40件以上の土砂災害が確認されている。
 事故現場を含め当該区域は土砂災害警戒区域であり、土砂災害が頻発している。危機意識があれば、万が一の想定が可能であったと感じる。管理組合での衆知が十分でない場合は、ノウハウを持つ専門家に相談したい。
 70トンもの土砂が落下し尊い命を奪ったこの事故。危機管理の基本は、管理組合による事前措置にあることを考えるきっかけとしたい。
(NPO日住協論説委員会)

(大規模修繕工事新聞 129号)


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