「コミュニティ条項削除」への反発から、なかなか進捗しない国土交通省のマンション標準管理規約「改正」?「改悪」?ですが、一方、総務省では5月12日、自治行政局住民制度課長名で各都道府県あてに「マンション住民の地域とのつながり」など、管理組合をターゲットにした「コミュニティの発展」について取り組むべきとする内容の通知が出されま
した。
この通知は、総務省が昨年設置した「都市部におけるコミュニティの発展方策に関する研究会(座長:河合克義 明治学院大学社会学部教授)」の報告書をまとめたもので、災害時または防災面での課題解決の方策を、都市部ではマンションの「コミュニティの発展」に向けるとしています。
www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/toshi_community_hatten/index.html 参照
国交省がマンション管理組合を財産管理団体と決めつけて反発されている傍らで、総務省は「国土交通省住宅局市街地建築課マンション政策室と協議済み」との文言を添えながら、各地方公共団体に自治会・町内会と同様の取扱いを管理組合にも認めることとしています。
総務省の通知は、主に①地方公共団体が地縁団体を対象に各種の連絡・支援を行う際には、コミュニティ活動を行っていると認められる管理組合等に対しても同様の取扱いを行う②地方公共団体による部局横断的な支援体制の構築に加え、自治会・町内会や管理組合の活動をワンストップで支援する組織の設置について検討を行う、等を求めています。
<具体的取組みの例>
・管理組合等に対するまちづくりの専門人材派遣や講習
・マンション同士の情報交換の場の創出
・ マンションと地域のコーディネーターとしての役割を果たすコミュニティ相談員の設置
・ まちづくり支援センターなど、自治会・町内会や管理組合といった各種主体の活動をワンストップで支援する組織の設置
・ マンション共用部分におけるコミュニティスペースの設置に対するインセンティブの付与
・ 望ましいコミュニティのあり方に関する民間事業者との共同研究
・ 管理組合等を自主防災組織や災害弱者等の名簿情報の提供先として位置付けるなど、防災面における役割の明確化
・ 避難行動要支援者のうち、名簿情報の提供に拒否の意思表示をした対象者を除いた分の名簿情報を提供する方式の採用
・関係部局によるプロジェクトチームの設置
・ 自治会・町内会や管理組合といった各種主体と、民生委員や社会福祉協議会、地域包括支援センター等との連携支援
(大規模修繕工事新聞 第68号)