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管理組合「修繕奮闘記」/目だった劣化はエフロレッセンス

管理組合「修繕奮闘記」

File Data. 56 神奈川・座間市/セレナハイム相武台管理組

築17年目で初の大規模修繕

目だった劣化はエフロレッセンス

49-02-01

築17年目で初めての大規模修繕工事であったが、外壁タイル部分の爆裂やはがれなどは多くみられず、浮いているタイルについてはエポキシ樹脂の注入で済むケースが多かった。剥がれている部分は少なく、新築時にストックしていた既存タイルで補修を賄うことができた。建物の劣化は築年数ほど深刻ではなかったようだ。
問題点として顕著だった劣化はエフロレッセンス(白華現象)。コンクリートのひび割れから雨水が入り、コンクリートのアルカリ成分が水に溶けて白華している個所が見られた。
エフロレッセンスが見られたのは、外壁、バルコニー、共用廊下の天井のコンクリート、ひび割れはバルコニー床、共用廊下の手すりと会談の取り合い部分、窓などの開口部周辺のタイルに見られた。
劣化が進むと、コンクリートの中性化とともに、鉄筋が錆びて爆裂などにつながる。

このため、外壁の防水性能の機能回復を第一に考えたという。保護塗装に望ましい耐久性・耐候性のある使用材料や工法の選択を行い、改修基本計画を作成した。
その他、メーターボックス扉、パーテーション、外構回り鉄部等、鉄部に関しては全体的に補修・塗装を行った。

屋上・ルーフバルコニーの防水層の保護塗装が脆弱化し、チョーキングがみられた。共用廊下床の長尺塩ビシートには剥がれ、浮き、割れ等が、各戸のバルコニー床にも防水モルタル表面にひび割れが多く見られた。

現場で見られたエフロレッセンスの状態①
現場で見られたエフロレッセンスの状態①
現場で見られたエフロレッセンスの状態②
現場で見られたエフロレッセンスの状態②
外壁タイル部分の爆裂やはがれなどは多く見られず、既存タイルの ストックのみで補修を賄うことができた
外壁タイル部分の爆裂やはがれなどは多く見られず、既存タイルのストックのみで補修を賄うことができた

49-02-05

施工前はモルタルがむき出しで、 ひび割れが見られる
施工前はモルタルがむき出しで、
ひび割れが見られる
クラックを補修し、側溝を防水
クラックを補修し、側溝を防水
塩ビシートを貼って防水完了
塩ビシートを貼って防水完了
バルコニー天井の施工前。やはりエフロレッセンスが見られた
バルコニー天井の施工前。やはりエフロレッセンスが見られた
高圧洗浄でコンクリート面 をきれいに
高圧洗浄でコンクリート面をきれいに
塗装は下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りを行う
塗装は下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りを行う
消火栓ボックスやパイプスペース扉などの雨係部分に塗膜の剥がれや錆がみられたので、錆を取り、防錆塗装を行った
消火栓ボックスやパイプスペース扉などの雨係部分に塗膜の剥がれや錆がみられたので、錆を取り、防錆塗装を行った

11月16日㈯、近隣マンション管理組合が集い、工事見学会を行った。参加者は約20人。設計・監理者、施工会社から工事概要を一通り聞いてからヘルメットをかぶって足場に上がり、現場を見ながら生の説明を聞く。写真はその時の様子。

バルコニーは、モルタル打ち放しだった既存床のクラック補修、側 溝の防水、塩ビシート張り、天井 の高圧洗浄・保護塗装、パーテーションの鉄部塗装を行った
バルコニーは、モルタル打ち放しだった既存床のクラック補修、側溝の防水、塩ビシート張り、天井の高圧洗浄・保護塗装、パーテーションの鉄部塗装を行った
内装タイルの劣化は思ったほどひ どくなかったものの、部分的には 目地にエポキシ樹脂を注入し、浮 き等の劣化補修を行った
内装タイルの劣化は思ったほどひどくなかったものの、部分的には目地にエポキシ樹脂を注入し、浮き等の劣化補修を行った
大規模修繕工事現場での実際の感 触を得ながら、設計・監理者、施 工者からの説明を聞くとより理解 度が高まるようである
大規模修繕工事現場での実際の感触を得ながら、設計・監理者、施工者からの説明を聞くとより理解度が高まるようである

49-03-04

49-03-05
●設計・監理者:株式会社建物保全センター
〒221−0835 横浜市神奈川区鶴屋町3−35−11 ストーク横浜二番館504号室 ☎045−324−6152
代表者:福市博臣  設立:1986(昭和61)年12月  資本金:1,000万円   //www.k-tateho.jp
●施工者:シンヨー株式会社
〒210−0858 川崎市川崎区大川町8−6 ☎044−366−4771
代表者:森 哲夫  設立:1952(昭和27)年4月  資本金:5億円  //www.sinyo.com

(大規模修繕工事新聞 2014-1.5 No.49)


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