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2026年の目標 自分の財産は自分で守る、マンションの管理に関心を持つ マンション管理に努める住民に協力する気持ちを持つ

2025年を振り返れば3月、本誌でも「業界激震!!大規模修繕会社20社に公取委が立ち入り検査」という見出しで、1ページ目に大規模修繕工事を巡る談合問題を取り上げました。
公正取引委員会が独占禁止法で禁止されている「不当な取引制限」の疑いで、大規模修繕工事会社に焦点を当てたものとなり、現在、その対象は30社以上、管理会社、設計コンサルタントにも調査が入っていると報道されています。
この今春には行政処分が下される予定で、再発防止に向け、談合行為を直ちに止めさせる排除措置命令、違反売上額の最大10%となる課徴金納付命令等の制裁が科されることとなります。
そして、談合に次いで大規模修繕工事を巡る問題として、一般報道で大きく取り上げられたのが「なりすまし」事件です。
昨年3月、千葉の800戸超のマンションで、修繕委員へのなりすましが発覚しました。施工会社が住戸を購入し、その社長が修繕委員会に参加。設計コンサルタント選定の議論を誘導していた疑いがあるとして、同じ修繕委員から「あなた、誰ですか?」と問い詰められ、「なりすまし」グループの一員だということが発覚しました。
5月には神奈川の大規模マンションでは、施工会社の社長が住民になりすまし、修繕委員会を主導し、発覚後逃げ出したところを逮捕されました。管理組合は偽計業務妨害と詐欺未遂で訴え、現在も捜査が続けられているという状態です。
談合となりすまし事件。両者に共通するキーワードは、「キックバック」です。
談合では管理会社ないしは設計コンサルタントの差配のもと、順番を決めて受注し、その際にキックバックが発生します。
なりすまし事件においても、マンション住民になりすまして理事会や修繕委員会に入り込み、設計コンサルタントまたは元請け施工会社に発注が行くように誘導する。その見返りとして下請けで入ることができるという仕組みです。
なりすまし事件の発覚は、「おかしい」と思った修繕委員がいたから問題になったわけで、無関心層が主流のマンションでこれまでどれほど彼らの思うようにやられてきたか図りしれません。自覚のない管理組合は、自覚のないまま修繕積立金を支払っているだけですから。

このような事件が相次いでも、「うちのマンションじゃないでしょ」と他人事と捉える人が多いようです。つまり、「マンション管理は誰かがやってくれる」「管理会社に任せているのだから大丈夫」と。
しかし、自分の財産を人に預けて安心できる世界がどこにあるでしょうか?
他人任せだと、そのうち修繕積立金の値上げという話になります。悪徳業者に流れていったお金の不足分は、家計が負担することになります。
そんなことは許されません。そうならないためにも、自分の財産は自分で守る。マンションの管理に関心を持つ。自分でできないのなら、マンション管理に努める住民に協力する気持ちを持つ。
2026年は、少しでもそのような気持ちを持っていただけたらと思います。
全建センターも大規模修繕工事新聞も、そのような方々のお役に立てるよう、情報提供を行って参ります。


<全建センター・大規模修繕工事新聞論説委員会2026/1/02>

大規模修繕工事新聞 2026-12 193号