一般社団法人全国建物調査診断センターが2月22日に配信開始した第79回管理組合オンライン・セミナーを抜粋 ・採録する2回目です。前号では第1章として、共用部分の工事の経緯、工事内容などについての説明でした。今回は、第2章「専有部分工事までの道のり」です。講師は、全建センター給排水設備改修相談室・木村章一室長が務めます。
第2章「専有部分工事までの道のり」
ここまで共用部分の給排水設備改修の進行状況を説明してきましたが、ここからは第2章として、専有部分まで改修しないと、やっぱりマンションの漏水は止まらない、そうしたところから、専有部分まできちっと直していこう!ということで、今度は「専有部分工事までの道のり」をご紹介したいと思います。
2023年1月、補助金の交付が決まったことで、続けて専有部分給水管・給湯管更新工事への期待が高まり、管理組合で居住者のアンケートを実施したところ、76%の方が専有部分給水・給湯管の更新工事を修繕積立金で行うことについての希望がありました。
これを受けて、専有部分を進めていこうと動き出します。
2023年1月~5月の間、着工までのスケジュールの整理や長期修繕計画の見直し、そして居住者への情報発信を行っていました。
ただ、情報を発信すれば、当然反対者も出てきます。300世帯もあるので、一部の反対者から全戸に怪文書が数回配られるようなこともありました。
2023年5月末、それでも前向きにやっていこうと、専有部分給水給湯管更新工事の実施に向けた専門の委員会を設置し、有志4人でスタートさせました。
会合は毎週1回、全建センターからも私ができるかぎり参加しまして、なんとかスムーズに専有部分の工事着工までいけるようにお手伝いをさせていただきました。
2023年7月、共用部分改修工事進行中に管理組合と全建センターで専有部分のコンサルティング契約を結び、全建センターはコンサルタントとして、専有部分給水給湯管更新工事計画を進めることになりました。
専有部分の給水給湯管の工事計画の特徴として、設計は共用部分の施工会社が行うということがあります。もともと、この専有部分の給水給湯管については、共用部分の更新工事を受注した会社がオプション工事として住民説明会でも提案。配管の経路や内装の解体、復旧範囲などがある程度固まっていたのです。
2023年9月、専有部分給水給湯管更新工事についての説明会を行いました。
このとき、女性委員の方から、工事の内容が難しくてわからないという声があがったため、女性向けの意見交換会や女性委員が主体となって会合を持つことによって、全体での理解を深めていったというのも、工事が成功した大きな要因ではないかなと思います。
2023年9月以降、住民に工事の理解を深めてもらうため、配管更新検討委員会でコラムを作成。「専有部配管更新はどうなっているのか」「管理組合が行うべきか」「修繕積立金は大丈夫か」「個人の意見の反映は?」「更新済みへの対応」「天井配管はしたくない」「「今後の日程は?」など、全戸に配布し、みんなでやっていこうという雰囲気を作っていきました。
2023年11月、臨時総会を開催し可決。
2024年6月、専有部給水管・給湯管・追いだき配管の更新工事を着工させることができました。
続いて第3章では、実際に奮闘された管理組合の馬場理事長を招き、共用部分、専有部分の設備工事について、いろいろなお話を伺いたいと思います。
大規模修繕工事新聞 2026-04月 196号






