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大手損保会社の保険料、令和3年1月も改定

2019年は超大型台風15号、台風19号が関東地方に上陸し、全国各地でも河川の決壊、家屋の流出や浸水、強風による建物損壊、停電などが多かった1年でした。
この状況下、令和元年10月1日に大手損保会社が保険料を改定。さらに令和3年1月にも改定することが決まっています。
たび重なる風災、水災被害など自然災害による保険金支払い事例が多いことが、保険料を見直すきっかけになっていると考えられます。
保険料の値上げは管理組合財政を圧迫します。損保会社の動向や風災・水災被害の実態を踏まえ、マンション保険契約の再考が必要になるといえるでしょう。

<取材協力> ㈱グッド保険サービス 東京都渋谷区千駄ヶ谷1−19−9  0120−77−8160
専務取締役 伊藤昌弘氏


高騰するマンション損害保険の対策
 令和元年10月1日、マンション保険の保険料改定がありました。事故判定期間の事故件数によって保険料が増減するとしています。(表1)で各損保会社の事故判定期間を記載しました。
 事故判定期間は各社によって、保険始期日(通常満期日)の6カ月前から過去1年、2年となっています。この期間の事故の件数によって大幅に保険料が増減するわけです。
 (表2)は、令和3年1月1日の保険料率改定前の12月31日を始期契約と設定して、各社の保険料を比較してみました。事例マンションでは令和3年2月満期でしたが、中途解約してでも改定前に保険契約を見直したほうが得
であると判断して、契約の再考をしています。
 事例は横浜市・築35年・30戸のマンション。保険料は、現在主流の5年一括契約で算出しています。さらに事故件数が0件~2件を表しました。
 同じ保険契約内容でも、事故件数の有無で約100万円の差が出たり、免責や補償内容の変更などの条件を設けているのがわかります。もちろん、事故件数はマンションの規模によって変わってきますので、複数の大手損保会社と契約している保険代理店などの専門家に相談して、これから高騰するマンション損害保険の対策としてはいかがでしょうか。


大型台風に対する保険手当と留意事項
 台風・強風による共用部分の損害は、マンション保険の基本契約内にある「風災」で補償されます。
 台風による雨水の吹き込み染込みによる専有部分の損害も多く発生していますが、一部の保険会社を除き、他の保険会社では免責条項に当たり、保険対象外となります。
 こうした点も保険会社選定の検討項目に入るでしょう。
 また、台風による損害賠償は法律上、賠償義務が発生しません。
 例えば、台風で自転車置場の屋根が飛んで、敷地内に駐車していた住民所有の車両に当たり、損害が生じたとしても「個人賠償特約」「施設賠償特約」をもってしても保険料支払い対象外となっています。


逗子マンション崖崩れによる通行人死傷事故
 2月5日、神奈川県逗子市で5階建てマンション下の崖崩れによって通行人の死亡事故が起こりました。被害者は未成年の18歳ということもあり、賠償額は1億円を超えることもあるといいます。
 この負担については、マンションの敷地を所有する管理組合が「土地工作物責任」により問われることになります。このマンションの総戸数は38戸。賠償額1億円であれば約263万円/戸当たりの負担が住民の肩にかかって
きます。
 ただし、マンション保険に「施設賠償特約」(または建物管理者賠償特約)を付帯していれば支払い対象となります。こうした事故を参考に保険商品の補償内容を管理組合で十分検討してほしいと思います。
 保険金額は、1事故1,000万円・3,000万円・5,000万円・1億円・3億円・10億円等があります。

(大規模修繕工事新聞 123号)


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