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「瑕疵」から「契約不適合」へ/4 月1 日から民法改正

 2017年5月に成立した「民法の一部を改正する法律」が2020年4月1日から施行されます。国土交通省では「住宅業界に関連する民法改正の主要ポイント」をまとめ、ホームページで閲覧できるようになっています。
〇瑕疵から契約不適合へ
 「隠れた瑕疵」は「契約の内容に適合しない」(不適合)に改め、明文化されました。契約不適合があった場合に買主が行使できる権利として、追完請求権と代金減額請求権が追加されま
した。
〇損害賠償請求
 原始的な履行不能は損害賠償請求を妨げないとする規定が新設されました。損害賠償の範囲は、「信頼利益」(契約が有効だと信じたことによって生じた損害(費用))に限定されず、要件を満たせば「履行利益」(債務履行されることによって債権者が受けるであろう利益)まで可能となります。
〇債権の消滅時効
 従来の「権利を行使することができる時から10年」に加え、「権利行使することができることを知ってから5年」という新しい時効が追加され、いずれか早い方の経過によって時効が完
成することとされました。
〇不法行為の消滅時効
 不法行為債権(他人からの損害に基づく損害賠償請求権)については「知った時か3年」、「権利行使できる時から20年」という期間は変更ありません。ただし、これまで20年経過す
ると当然に権利が消滅するものとされていた権利は、時効により権利が消滅したことを相手方に主張することが必要になりました。

(大規模修繕工事新聞 124号)