管理会社からのオファーも増加
マンション大規模修繕工事の完成保証はこれまで、「工事を受注した工事会社が、同等クラスの同業工事会社に依頼して工事完成保証人になってもらっている」のが通常でした。
このやり方は工事会社相互に貸し借りが発生し、公正さを欠き、談合の温床になりやすく連鎖倒産のリスクもあるとの批判があります。
また金銭保証がついているのかいないのか、どこまで保証されるのか明確ではありません。公共工事については、アメリカなどからその問題点を指摘され、すでに工事会社間の相互保証制度は廃止が進んでいます。
「マンション大規模修繕工事完成保証」制度は民間マンション大規模修繕工事を第三者が完成保証する公正明大な制度で、すでに首都圏の大手改修工事会社でも年間数十憶円の工事に利用されています。
近年では、管理会社からのオファーが増えており、㈱東急コミュニティーからは大規模修繕工事8件で制度の利用があります。
完成保証のメリット
・スピーディーで使いやすい
審査基準をパスした会社であれば、個別工事案件審査書類提出後、営業日ペースで3日以内に保証が受理される。個別工事案件審査書類は、工事請負契約書のほかに①内訳明細書②仕様書③図面④質疑応答書⑤見積もり要項書の5種類のみ。
・現場もスムーズ
当完成保証は、個別工事案件の数量・単価・施工内容を審査段階で精査することで保証を発行するので、工程において中間検査などの時間を割く必要がない。4年超、500件超のさまざまな仕様の大規模修繕工事を完成まで保証した実績がこの体制を可能にしている。
・ヒアリングに対応
ヒアリングの際、コンサルタントより見積もり参加会社が利用する予定の完成保証が現実の利用で文書化を求められることがあるが、当完成保証は保証会社より事前に保証予約書面を発行することにより対応している。
工事中に、工事会社が倒産したらどうなるかご存知ですか?
支払ったお金は戻ってくるの?どうやって工事を続行すればいいの?
引き継ぐ工事会社の足場の組み替えや手戻り工事などの追加費用(増高費用)が発生したら?
1、会社が倒産しても大丈夫
万が一、工事会社の倒産などで工事が中断されてしまったら、ただちにこの制度が対応を開始します。
工事現場や工事会社の状況を確認、代替施工に向けて工事完成保証の手続きを行います。
2、保険会社が制度をバックアップ
住宅金融支援機構提携の金融機関㈱ジェイ・モーゲージバンクが保証します。大手損害保険会社に一部損害については保険もかけています。安心して完成させることができます。
3、工事着工金・中間金の損害や追加工事費用を保証
工事着工金・中間金を支払っている場合で、出来高と支払額との差異が生じた場合の損害金について保証します(約款を確認してください)。
4、引き継ぐ業者をあっせん
工事が中断されてしまったら、その後の工事を引き継ぐ工事会社を見つけて工事を再開するのは大変です。この制度では残りの工事を引き継ぎしてくれる適正な工事会社を選定、あっせんします。また、工事の出来高査定も公正に行われます。
(大規模修繕工事新聞 2014-3.5 No.51)