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コロナ禍のもと、マンションセミナー実現の道

コロナ禍のもと、マンションセミナー実現の道

 2月以来の新型コロナウイルス禍で、管理組合団体、公的機関、関連企業などが予定したマンション関連のセミナー、シンポジウムなどがほとんど中止になっている。
 マンション管理組合の立場から、セミナーによく参加し、管理組合にとって最新の施工技術などを吸収できるセミナーを、以前から重視、参加してきた世田谷区在住のマンション住民の本多賀文さんは、2月段階で20本以上のセミナーをリストアップし、参加の準備をしていたが全部中止になった。
 「専門紙や宣伝では得られない、生の情報がセミナーだった。大規模修繕一つをとっても、最新の情報が得られなくなって、ものすごく痛手です」と言い切る。
 ごく一部の設計コンサルタントがテレワークを使ってセミナーに挑戦しているが、高齢者は敬遠しがちだ。神奈川県内のある管理組合団体の代表は、テレワークも視野に入れたセミナーを考えたが、高齢者の参加を考慮した結果、紙媒体の資料を作成して、それを会員に送付することに切り替えようかと思案している。
 ほとんどの管理組合団体はホームページを作成しているが、ホームページ版セミナーも、訴求力ではどうか。
 日住協では毎年夏の4日間、マンション管理を多角的な視点からアプローチする、マンション管理大学を開催している。昨年、第15回を数え、新潟県内からの参加者も含め盛況だった。今年も時期をコロナ禍の鎮静化を期待し、11月開催として準備を進めている。
 コロナ禍で、「東京都における感染症を乗り切るためのロードマップ」によれば、100名収容の会場は半数以下という人数制限を厳守しなければならない。
 さらに非接触型の体温測定器、消毒液を用意し、換気を確保、3密を避けるという条件を守らなければならない。
 こうしたことから民間施設にも候補を広げ、会場探しを続けるが、5月23日、新型コロナウイルス特別措置法による緊急事態宣言が全面解除され、さらに6月12日に、都独自に飲食業などの休業措置も解除され深夜営業も可能となった。
 私たちはコロナ禍でもマンションセミナーの灯を絶やさず、何とか実現する道を探り、管理大学開催をぎりぎりまで追求していきたいと考えている。
(NPO日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2020年7月5日付第454号「論談」より/NPO日住協論説委員会)

(大規模修繕工事新聞 127号)


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