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ビジョンの策定 マンション100年化計画研究所

ビジョンの策定 マンション100年化計画研究所

■次の社会に対する希望
 マンション100年化にはビジョンの策定が不可欠です。そこでそのビジョンについて考察します。
 ビジョンとは次の社会に対する希望であり、次の社会のあるべき姿です。この場合の社会とは当該団地・マンションのことですから、団地やマンションの将来の希望・あるべき姿を明らかにするということになり、その策定は至極当たり前のことなのです。
 団地・マンション以外にも、勤めている会社や経営している会社、また地方公共団体やNPO法人、さらに家族や自分自身を当てはめ、「将来の“自分”に対する希望」にも適用できます。
■問題解決の2つのアプローチ
 ビジョンの策定には、まず問題を認識し問題を明確にすることです。問題解決には問題を認識することが必要ですが、解決には2つのアプローチがあります。
 1つは将来を仰ぎ見、さらにそこから現在を俯瞰し、その際を問題の大きさとし、それをどのように解決していくかといった、いわば大局的見地から問題を捉えること。
 2つ目は、現状の見えている問題を解決するという、一般的な問題解決の方法です。
 この2つの方法はバラバラに行うのではなく、大局的見地によって全体像や将来像を見据えておいた上で、そこにたどり着くためには、現状の課題・問題をどの方向に持っていくべきなのかを考え、見えている問題を解決していきます。
 そして仮説と検証を都度行い、精度を高めていくことでビジョンに近づけていきます。
 マンション100年化という課題を、関係者がバラバラに捉えることのないように、ビジョンの共有化が必要条件になります。それを具体的に落とし込むという作業は楽しいばかりではありませんが、それぞれの過程があって
ビジョンの策定ができます。
■問題を見える化する
 作業は、いくつかのグループに分けてワークショップを行い、「次の時代のマンション像」を、みんなが参加して作り上げます。
 そのためには、築30年、40年を経過した団地・マンション管理組合が、次の時代をどのように考えているのかなどの事例研究も行うことが欠かせません。
 他の管理組合が何をどのように考えているのか。
 知識だけではなく、知恵を分けてもらうことは大きな財産になります。
 とはいえ、ビジョンを策定している団地・マンションはまだまだ少数ですが、ぜひ、トライしてみてください。
(マンション100年化計画研究所)
NPO日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2020年8月5日付第455号
「マンション100年化計画ニュース第7号」より

(大規模修繕工事新聞 129号)


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