月刊「大規模修繕工事新聞」は、一般社団法人 全国建物調査診断センターが発行するマンションの適正な管理に役立つ管理組合向けのフリーペーパーです。コロナ過を契機に発行形態を紙媒体から全面的に電子版に移行いたしました。それにともない、これまで首都圏、関西圏のみの発行でしたが、ネット配信の強みを生かし、全国規模に拡大しました。当HPでは、「大規模修繕工事新聞」創刊から現在に至るまで、全ての記事をアーカイブ収録していますから、マンションの大規模修繕工事に関する情報やマンション管理組合に関する情報を右の<記事検索>にキーワードを入れるだけで表示させて、必要な記事を読むことができます。今後とも、マンション管理組合さまのお悩みに寄り添い適切な情報をお届けしてまいります。

管理組合セミナー50回までの軌跡/全建センター

 一般社団法人全国建物調査診断センターでは、管理組合の立場から管理業界で暗黙とされている常識(=非常識?)を「本音」で語るセミナーを行っています。そのセミナーが次回2月21日(16ページ参照)で、おかげさまで第50回を迎えることになりました。そこでこれまでの軌跡として、セミナー内容のごく一部を採録します。
 現在はコロナ禍により、オンラインセミナーで実施していますが、この状況が改善された際には再び皆様にお会いできることと祈っています。今後とも一般社団法人の非営利活動である全建センターの「本音」セミナーをよろしくお願いいたします。

 第1回 2011.3.26

「大規模修繕工事 コスト削減成功への道」
~誰も教えてくれない最新の工事費削減策~

 記念すべきセミナーの第1弾は東日本大震災が発生した2011年3月。被災地では甚大な被害が生じたものの、日本の中高層住宅の耐震技術の高さが改めて評価された時期でした。
 セミナーでは大規模修繕工事の重要性のほか、工事費用調達のアドバイスとして、住宅ストックの品質向上等を目的とした国土交通省の補助事業の説明

 第9回 2013.9.22

スペシャルトークショー
 第32回はパークシティ溝の口管理組合から元理事長を招き、同管理組合の活動について講演を行っていただきました。講演後は、全建センター講師陣を交えたスペシャルトークショー。
さらには会場の参加者からも活発な意見交換が行われました。
パークシティ溝の口管理組合の紹介
 物件概要/ 1984年(昭和59年)竣工・SRC造・15階建て・12棟・1,103戸
・ 2005年に立ち上げた修繕委員会による資産価値維持活動は、筑波大学の「マンション再生の成功事例」でヒアリング調査を受けるなど、高い評価を受けた。
・ 防災・減災・高齢化対策として、住民防災組織による「災害対策名簿」を整備。「安心・安全な暮らし」のために住民自ら積極的な活動を行っている。
・「 SUUMO新築マンション首都圏版」の特集ページ「個性派21選!『名作マンション』の秘密」に、家と人の老いに向き合い「築100年」を目指すマンションと紹介された。
パークシティ溝の口管理組合元理事長の話
 「住民それぞれ事情があります。現役世代なら仕事、高齢者なら健康、介護、若い世帯は子育て、住民いろいろな事情があります。
 私の意見は、少しでも地域にかかわること、軽くてもよいからみんなができる範囲でかかわっていたほうが、そのコミュニティーは良くなると思っています。なんと言ってもコミュニケーションに尽きる!!それが結論です」

 第40回 2019.5.26

「管理組合 独立宣言」~大規模修繕は情報戦です~

詳細は16ページをご覧ください。

大規模修繕工事新聞(134号)

「組合合意形成の真実と研究―組合役員が住民を
説得する際の迫真のノウハウを指南します!」
 第22回セミナのーテーマは管理組合内の「合意形成」。ここでも失敗から学ぶ視点でセミナーを構成しています。以下が講演の一部です。
◆ 資金不足で対立、工事を休止積立金値上げと貯蓄で合意を得る
経過
 築後11年目のマンションで大規模修繕工事の計画がスタート。建物調査診断を実施し、その後引き続いて工事計画に基づいた設計を作成した。
 ところが工事費用の予算に対し、修繕積立金が大きく不足しており、この工事資金の徴収方法を巡って、理事、区分所有者の意見が二分しかねない事態に陥ってしまった。
合意形成のための手法
 あらかじめ決定していた大規模修繕工事計画スケジュールの
進行を一旦休止して、直近の「大規模修繕工事ありき」の資金確保だけの議論を凍結させた。その後、改めて長期修繕計画を作成・説明した上で、中長期的な視点から修繕積立金が不足するという認識を区分所有者全員が共有するように努めた。
 そこから修繕積立金の値上げと貯蓄する期間を設けた結果、合意形成が図れて2年半後、やっとのことで大規模修繕の着工にたどり着いた。
 目の前の金銭負担の対立が工事実施の是非の対立になる構図を避けた。休止期間を設けることで、じっくりとした説明と深く考える機会ができた。

 第30回 2017.3.26

「大規模修繕、知らないと損する『失敗の研究』」
 本セミナーの特徴でもあるのが、「失敗事例から学ぶ」といった考え方です。この失敗から学ぶ姿勢をテーマに掲げたのが第9回からでした。
 講師が「失敗の特徴」としてあげたのが、①理事会、修繕委員会での揉めごと、②失敗が表面化した後に挽回ができない(スケジュール面、金銭面、やる気など)、③施工会社の不手際を表ざたにしない(欠陥マンションとして認めない)、④工事品質に知識がないのでそもそも失敗に気づいていない(事前調査で手抜きがみつかる)、⑤管理組合のメンバー構成が変わらない(同じ失敗を繰り返しやすい)などです。
 講師は「専門家に任せているのだから大丈夫という理事さんがいますが、丸投げしてはいけません」と説明しています。

 第11回 2014.3.23

「大規模修繕工事事例特集」
~本当にあった工事の怖い話、嬉しい話、他~

第11回セミナーでは、長年マンションの大規模修繕工事に携わった経験からでしか聞けない、興味深い話を講師に話してもらいました。その一部を紹介します。
◆消えた現場代理人
経過
問題の現場代理人(施工会社)は常勤契約で工事管理を請け負っていた。工事監理者が週1、2回検査チェックを行うため、その現場代理人とは、その都度顔を合わせて打ち合わせをしていた。夜間には現場代理人からの工事日報が監理者に送付されており、毎朝の朝礼、夕方の点呼、翌日の指示事項等の記載内容のチェックも毎日している。
ところが、「常勤の現場代理人が昼間いない」という情報が入ってきた。監理者が抜き打ちで現場に行くと、確かに現場代理人が消えていた!
携帯電話に連絡すると、「足場に上がっています」という。「すぐ降りてきて」と言ってもなかなか下りてこない。時間経過後にまだ降りて来ない再度電話をすると「本社から緊急の呼び出しがあって、足場降りてからそのまま本社に帰りました」…本当はどこに消えてしまったのか!?
その後
監理者はただちに施工会社の上席を呼び出して事情を確認した。
そこで、現場代理人は毎朝、朝礼後に現場を抜けて別の現場に赴き、日中はそこで現場指示をし、夕方に戻り点呼して日報の作成をしていたという実態が判明した。
常勤という本契約に違反しているだけでなく、法令違反の可能性もあったため、監理者は後日、国土交通省担当局に報告した。

 第22回 2015.10.25

「大規模修繕工事100組合の教訓」
 本セミナーは30回で参加者が延べ1,000人超となりました。
大規模修繕工事新聞の恒例コーナーである「管理組合修繕奮闘記」で取材協力をいただいた管理組合も100を超えました。
 この100カ所の実録の中で、講師が経験した事例と絡み合わせて、「こうしたほうが良い」「こう考えたほうがよい」という内容を講演しました。
 よその管理組合ではどうしたのだろうか―?
 自分がこれから取り組まなくてはならない大規模修繕工事の課題と同じような経験をした管理組合の情報に関心を持たれる人は多いにも関わらず、その情報を入手するのが難しい事情があります。
 管理会社の担当者は守秘義務などいろいろな制約があり、実際に経験した理事や修繕委員もそっと肩の荷を降ろした後に、工事の苦労話を他に発信して広く役立てたいというような、苦労をさらに背負い込むようなケースは多くありません。
 100管理組合の「修繕奮闘記」は、全建センターのホームページより「大規模修繕100カ所の実録」というサイトで公開しています。

 第32回 2017.11.26

「大規模修繕の周期は12年から18年へ」

 全建センターでは、大規模修繕の周期を12年から18年へと進めています。大規模修繕工事のスパンが長くなるということは、修繕積立金を積み立てる期間も長くなるわけで、当然資金繰りが豊かになります。18年周期にすることで資金繰りに余裕ができ、検討に十分な時間をかけられ、合意形成しやすい環境が整うことになるのです。
 全建センターの「新長期修繕計画」は18年周期で作成しています。「新長期修繕計画」は小修繕を連続することで実現します。さらにトータル・マネジメント(TM)方式を利用すると、修繕コストが大幅に節減できることになります

 第50回 2021.2.21

「おざなりの長期修繕計画は意味がない!」
~管理会社やコンサルタントが提案している長期修繕計画を見直しましょう~
 現在、長期修繕計画を整備していない管理組合はほぼありません。そしてその大半が分譲時から、もしくは見直し時点から、管理会社により作成された長期修繕計画を使用しています。
 しかし、だからこそ長期修繕計画を管理会社から管理組合の手に取り戻すことが第一です。その上で管理組合が自主的に長期修繕計画を作成して主体性をもって使用していくことが重要
と言えます。
本当に使える長期修繕計画作成のフロー
 1. 現状の建物の劣化状況をしっかりと把握することからはじめる
 2.メンテナンスや保守状況の維持管理データを精査する
 3. 工事範囲と工事項目を整理し、各部位の修繕周期を検討する
 4.仮設工事も含めた各工事費用を明細方式にて積算する

 第42回 2019.9.22