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コンプライアンスとインテグリティ

コンプライアンスとインテグリティ

NPO法人日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』』2021年2月5日付第461号「論談」より

◆コンプライアンスは当たり前
大規模修繕工事は多額のお金を遣う。それを不当に狙う、一部の管理会社や設計コンサルタント会社の不適切行為がいまだに続いている。
管理組合の中には不適切行為を防ぐために、管理会社や設計監理会社あるいは施工会社を選定する際に、コンプライアンス部門のある会社を選んでいる。気持ちはわかるが疑問も残る。
コンプライアンスは法令遵守と訳されているが、それは当たり前のことで、倫理や約束事を守るといったことも含まれる。それらを組織的に守ろうとするのがコンプライアンスである。しかし、コンプライアンス部門を持つ企業が絶対ではない。
例えば、耐震・制振ゴムの品質不正や横浜のマンションでは基礎杭が支持層(固い地盤)まで届いていないことを知りながら施工を続けたことなど、キリがない。選定する際には十分注意したい。
◆インテグリティを重視する
インテグリティは高潔、誠実などと訳されている。完全という意味でもあるが、そう単純ではない。
米国企業の経営方針や社員が守るべき規範には、「インテグリティ」という言葉が使われることが多い。「人を雇うときは三つの資質を求めるべき。高潔さ、知性、活力である。高潔さに欠ける人を雇うと、他の二つの資質が組織に損害をもたらす」とウォーレン・バフェット氏。「高潔さ」と訳されている概念がインテグリティを伴わない知性や活力は危険でさえあり、ならば愚かで怠惰な人間を雇うほうがましだとバフェット氏は主張している。

◆管理組合が主体との理解と行動を
インテグリティこそが組織の管理を担う人材にとって“決定的に重要な資質”だとピーター・ドラッカー氏。「管理者が学ぶことのできない資質、習得することができずもともと持っていなければならない資質、それは、才能ではなく真摯さである。それが欠ける者は、いかに知識があり才気があり仕事ができようとも、組織を腐敗させる」と著書に記している。
特に大規模修繕工事は大事なお金を遣うのだから、ステークホルダー(利害関係者)の人々のインテグリティを確認したい。
何をするにも、管理組合が主体であるとの理解と行動が必要である。管理会社などにすべてをお任せすることなく、理事や修繕委員は当事者意識と責任あるインテグリティを兼ね備えての行動をしたい。
(NPO日住協論説委員会)
※ウォーレン・バフェット氏…アメリカ合衆国の投資家。
ピーター・ドラッカー氏……オーストリアの経営学者。

(大規模修繕工事新聞 135号)


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