最高裁の建築関係訴訟委員を務めるなど、多くの建築紛争に携わってきた著者が、長年の調査や研究をベースにマンションの音についての性能、住まい方、対応策などを紹介した一冊。ひとつの建物にたくさんの人が住むマンションの特性を理解し、ルールを守り、お互いに心地よい居住環境を作り出すためにはどうすればよいのかがまとめられている。
管理組合の立場としては、「音に関する問題がしばしば起きるようなら、管理組合の中に音の専門委員会をもうけるのが理想」と提案する。マンション内の音に関するルール作りをしたり、コミュニティ作りに積極的に取り組めば、問題が大きくなる前の予防ができるというのだ。リフォームの増加とともに音のトラブルも増えるとも。「リフォーム後の生活もしっかり見すえた計画が重要」と指摘している。
(大規模修繕工事新聞 137号)
『マンションの「音のトラブル」
を解決する本』
編著者/井上勝夫
発行/あさ出版
四六判・224ページ
定価/ 1,500円(税別)
2021年1月30日発行
ISBN:978-4-86667-258-8