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「中規模修繕・分散方式」の提案を開始/全建センター

 一般社団法人全国建物調査診断センターでは、これからのマンション修繕のあり方を模索している中、従来型の12年周期で大規模修繕工事を実施するケースを改め、管理組合に対して「中規模修繕・分散方式」の提案を開始しました。 「中規模修繕・分散方式」とは、大規模修繕工事でまとめる工事種
目を必要に応じ、分散して実施することで、実質的に大規模修繕工事の周期を延ばすと同時に、継続的に中・小修繕をしながら建物を見守っていくことです。積立期間が長くなることで修繕積立金の節減にもつながります


 これまで多くのマンションの長期修繕計画(資金計画)は12年周期の大規模修繕工事を中心に作成されていました。「中規模修繕・分散方式」は、この大規模修繕工事の項目を分散し、適時適切に実施しようとするものです。
 「適時適切に」といっても、各マンションによって戸数、築年数、立地、建物の劣化状況、管理運営状況、修繕積立金の積み立て状況等ですべて異なります。そこで、全建センターが18年周期を前提に、新しい長期修繕計画を作成するのです。
 参考として、従来型の資金計画と中規模修繕・分散方式の資金計画の比較表を下記に掲載しました。これは100戸程度のマンションを想定し、1回1億2千万円の大規模修繕工事を12年周期で行った場合のものと、この大規模修繕工事を18年周期に分散したものです。
 築12年目から25年目までの簡単な資金計画ですが、一般的に従来型では積立金残高が赤字となるケースが非常に多い(大規模修繕工事時に借入金が必要となる)といえます。しかし、中規模修繕・分散方式はずっと黒字のままです。これは修繕積立金の積立期間をできるだけ長く設定しているためで、大規模修繕工事でまとめて積立金を減らさず、小・中規模修繕に分散して積立金残高の減少を緩やかにするという効果につながっているのです。
 全建センターのTM方式やセカンドオピニオン制度とともに長期契約をして、安定した建物の保証体制を作ることをおすすめします。


 

(大規模修繕工事新聞 第141号)