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大規模修繕工事、長周期化の目的とは(4)/長周期の大規模修繕工事に適した材料、工法(屋上防水編)

 アーキヤマデ㈱より販売されている塩ビシート機械式固定工法は、既存の防水層の上に直接被せることができるので、既存防水層の機能を生かしたまま、さらに防水性能を高めることができます。
 また、『リベットルーフHP』は同社の従来品と比較しても優れた耐候性を実現したため、耐用年数「30年」が可能となりました。そのため、保証年数も「15年」と長期化を図ることができています。

 今までの屋上防水では、写真のとおり、笠木という部分と平場と呼ばれている部分について、双方が別々の工法で工事を行うために保証年数も異なっていましたが、写真下にあるとおり、塩ビシートにて一体化させることで、最大15年の保証を可能にしました。
 ただし、保証が出ない、施工に適さない条件も中にはあります。
 下地の条件が悪い場合で、例をあげると平板ブロック仕上げ、タイル仕上げ、木下地、ALCなどは、下地の条件が悪い中に入ってしまいます。
納まりが悪い場合の例では、屋上に設備系の配管・設備等が多く走っている、また屋上緑化を行っているケースが納まりの悪いケースとして上げられます。

 ただ、今回紹介した材料については、長周期化を検討する上で大変優れた材料、仕様になっていますので、長周期化の検討項目のひとつとして計画してほしいと思います。

まとめとして
 大規模修繕工事の長周期化は、メリットもデメリットも抱えています。大事なのは、普段から建物に気を使ってあげているかどうかです。
 建築資材の高耐久・高品質化は年々進んでいます。
 その一方で、建築業界では少子高齢化による人手不足や人件費の高騰、さらには使用材料の高騰も顕著となっています。
 日々刻々と変化する環境下で、短絡的に周期を延長するのは建物にとっても管理組合にとってもよいことではありません。 しっかりとして長期修繕計画と定期的な建物診断、修繕積立金の過不足を総合的に判断し、それぞれのマンションに適した大規模修繕工事とその周期を選択することが大切だといえるでしょう。

大規模修繕工事新聞 22-11-155号

下地の条件が悪い例

平板ブロック仕上げ

タイル仕上げ

木下地

ALC

納まりが悪い例

配管・設備が多い

配管・設備が多い

屋上緑化

フェンス支柱部分