高経年マンションの急増が見込まれる中、国土交通省では管理適正化、再生円滑化を進めていくため、政策目的に適合した老朽化マンションの長寿命化に資する先導的再生モデルとなりえる取り組みへの支援策として、「マンションストック長寿命化等モデル事業」を行っています。国が事業の一部を補助する制度です。
令和5年度は2回の公募で合計49件の応募があり、先導的再生モデルタイプの12件が採択されました。例年に比べて応募件数は増えましたが、採択された事業件数は過去最低となっています。
令和5年度第2回公募で採択された8件の概要は下記のとおりです。
計画支援4件
・ 大規模団地における敷地の有効活用及び特定要除却認定も見据えた建替え手法の比較検討
・ 保留床が少ない小規模マンションにおけるコーポラティブ方式の採用による建替え検討
・ 複合用途かつ借地権マンションにおける、隣地を取り込む建替え検討
・ 集合共用ダクトの廃止に向けたハード・ソフト両面での改修方針の検討
改修工事支援3件
・ 超高層マンションにおける温熱環境改善等に向けた改修工事
・ 超高層マンションにおける共用排水管の耐久性向上、工事中の居住者負担の軽減等に配慮した改修工事
・ 耐震性不足、既存不適格部分のあるマンションにおける再生に向けた総合的な改修工事
建替工事支援1件
・ 用途複合型マンションにおけるマンション敷地売却事業を活用した建替え
マンションストック長寿命化等モデル事業は、①マンションの長寿命化に資する新しい工法や材料、新機能の導入等を行う先導的再生モデルタイプ、②管理水準の低いマンションが地方公共団体と協力して、管理適正化を図っていく管理適正化モデルタイプがあります。
管理適正化モデルタイプは令和4年12月に創設されました。管理が不十分なマンションが、地方公共団体の協力のもと、管理の適正化・大規模修繕の実施を図る取り組みについて、先導性を評価し、支援を実施するものです。
大規模修繕工事新聞167号(23-12)