昨年11月10日、住宅の省エネ化への支援を強化するための補助制度が盛り込まれた令和5年度補正予算案が閣議決定され、国会での成立を前提として「住宅省エネ2024キャンペーン」の概要が公表されました。
これによると、先進的窓リノベ事業を活用した窓リフォームは子育てエコホーム支援事業との併用も可能で、補助金額が1戸当たり最大260万円となることも可能です。
現在の「住宅省エネ2023キャンペーン」とは別事業です。
各後継事業等の交付申請は令和6年3月以降の受付開始予定とされており、補助対象期間や補助対象要件などについては新たな発表に基づいて情報収集することをお勧めします。
全建センター理事 箕輪 貴弘
① 断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業
補助金は、断熱改修工事を行う事業者の申請に基づき、住宅所有者に補助金全額が還元されることを条件に当該事業者に対して交付されます。
対象は高断熱窓リフォームで、熱貫流率Uw1.9以下等、建材トップランナー制度2030年目標水準値を超えるもの等、一定の基準を満たすものへの断熱改修工事を支援するものです。
工事内容に応じて定額(補助率1/2相当等、1戸あたり最大200万円)が交付されます。
② 高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金
一定の基準を満たした高効率給湯器を導入する場合、機器・性能ごとに設けられた定額を支援します。特に寒冷地において高額な電気代の要因となっている設備(蓄熱暖房機や電気温水器)を一新するため、高効率給湯器の導入とあわせて設備を撤去する場合には、加算補助の対象となります。
補助金は、給湯器導入を行う事業者等の申請に基づき、消費者等に補助金全額が還元されることを条件に、事業者に対して交付する予定となっています。
③-a 質の高い住宅ストック形成に関する省エネ住宅への支援(仮称)
住宅の開口部・壁等に対する一定の断熱改修やエコ住宅設備の設置等の省エネリフォームを行う場合に工事内容に応じた支援額は下記のとおりです。
ⅰ)子育て世帯または若者夫婦世帯の場合
・既存住宅の購入を伴う場合は最大60万円/戸
・長期優良リフォームの場合は最大45万円/戸
・ 上記以外のリフォームを行う場合は最大30万円/戸
ⅱ)その他の世帯の場合
・長期優良リフォームの場合は最大30万円/戸
・上記以外のリフォームを行う場合は最大20万円/戸
③-b その他のリフォーム工事<質の高い住宅ストック形成に関する省エネ住宅への支援(仮称)
住宅の子育て支援、バリアフリー改修、空気清浄機能、換気機能付きエアコン設置工事等を行う場合に工事内容に応じて補助額が決まります。
※「子育て世帯」:18歳未満の子を有する世帯
「若者夫婦世帯」:夫婦のいずれかが39歳以下の世帯
大規模修繕工事新聞 No.169号(24-1)