
日本の将来は、2030年前後から人口減少、大量相続の発生、住宅需要の激減などの大変化が控え、首都圏で空き家問題が日本社会に大きな変化を起こすという。
総務省「令和5年住宅・土地統計調査」によると、個人所有共同住宅の空き住戸は70.7万戸で、2022年末におけるマンションストック数694万3,000戸の10.2%を占める。
マンションで空き住戸が増えると、配管類の清掃や消防点検が行われない、滞納問題が発生するなど、管理不全マンション化がはじまり、売ろうにも貸そうにもそれができず、特に相続人がいない「おひとりさま」の急拡大によって、スラム化が進行していくことになる。
では空き家をなくすにはどうすればよいのか。本書では、実需として家を探す人たちは中古マーケットに流れているという。日本の住宅政策は量の確保から、防災を含めた住宅性能の強化、集住化に伴う街機能の整備への支援、地域としては街や地域に対する想い、誇り(街プラウド)を、世代を通じて積み上げ、昇華させていくことが、今後の空き家対策になると説いている。
大規模修繕工事新聞2025-03-183号
『新・空き家問題―2030年に向けての大変化』
著者/牧野知弘
発行/㈱祥伝社
イズ/新書判・208ページ
定価/ 1,012円(税込)
2025年2月4日発売
SBN 978-4-396-11708-5