この5月30日、区分所有法を含むマンション関連法が公布され、令和8年4月1日に施行されることになりました。
そこで問題となるのが、現行の管理規約を変更しないまま来年4月1日(改正区分所有法の施行日)を迎えた場合、改正区分所有法に抵触する事項は効力を失うことです(改正区分所有法附則第2条)。
たとえば、現行管理規約48条3項(特別決議の成立要件)で、管理規約を改正する場合、「組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する」とされますが、改正区分所有法では、区分所有権の処分を伴わない事項の決議は「出席した区分所有者及び議決権」の多数決となります。
つまり、現行管理規約よりも改正区分所有法が優先されるため、数え方を変える必要があるのです。※出席者には、出席者には議決権行使書や委任状により議決権を行使した者を含みます。
また、総会を開催するに当たって通知する議案書(法35条)については、すべての議案に対して要領を記載する必要が生じました。
これまでは共用部分の重大変更、管理規約の改正等についてのみ、「議案の要領」を示すとする規定があったのですが、これが削除されたため、必ずすべての「議案の要領」を記載しなければならなくなったのです。
ただし、多くの法改正は管理の円滑化を図ろうという目的なので、現行管理規約よりもハードルが下がっています。
35条におけるハードル(議案の要領の記載)さえきちんと守れば、今まで通りの総会進行でも、決議無効などの瑕疵に当たるケースは少ないと考えられます。
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とはいえ、法律が優先されるわけですから、法律に抵触する事項がある現行の管理規約のままというわけにはいきません。今回の改正は、このように一般の管理組合運営にも影響が大きい大改正となっています。
このため、現在、国土交通省では令和7年マンション関係法改正等に伴うマンション標準管理規約の見直しに関する検討会を設置し、9月末をめどに標準管理規約改正を公表する予定で動いています。
リンク:令和7年マンション標準管理規約の見直しの方向性.pdf
リンク:マンション標準管理規約の見直し 検討スケジュールb.pdf
さて、ここで各管理組合におけるそれぞれの管理規約の変更のタイミングです。
| ①改正法施行前(令和8年3月31日以前) ・現行の管理規約の規定で総会手続きや決議において規約変更を行えるが、改正法が施行されていないため、規約の効力発生日を令和8年4月1日とする。 ②改正法施行後(令和8年4月1日以降) ・例えば定期総会が6月に行われる場合、すでに新法は施行されているため、規約変更前でも新法に則った手続きが必要になる。 |
前述しましたが、改正法施行後においても多くの条文はハードルが下がっているため、大きな混乱を招くことはないと考えられます。
ただし、正しい手順を踏まないと総会の決議が無効となってしまうこともありますから、管理会社や専門家に相談しながら、間違いのない総会が開催されるよう確認してください。
実際には、これまでの標準管理規約改正についも準拠していないマンションも多く見られます。
今回の区分所有法改正はよい機会です。現在の理事会、来年の理事会でご自宅のマンションの管理規約の見直しを検討してみましょう。
大規模修繕工事新聞 2025-9月 189号





