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新刊紹介/『団地と共生 芝園団地自治会事務局長 二〇〇〇日の記録』

前号で紹介した『芝園団地に住んでいます-住民の半分が外国人になったとき何が起きるか』の芝園団地について、本書は30代で入居し、団地自治会の事務局長となった著者による記録である。
ほぼ芝園団地で占める芝園町で暮らす外国人は、団地ができて20年が経過した1997年に208人、2003年に1,000人、2009年に2,000人を超えて、2015年に日本人と外国人の人口比率が逆転。2022年1月現在、日本人2,094人、外国人2,581人で、外国人の大半が中国人だという。
夜遅く、中国人が商店会広場で騒いでいる。11時過ぎに子どもたちの声が響いているのだ。しかし、中国で夕食後に夕涼みするのは日常であり、普通のことだという。
誰かの日常は、ほかの誰かの非日常となる。中国人家族は若く、日本人は高齢者ばかりとなれば・・・、世代が違う、性格が違う、言葉が違う、育ち方が違う、前提として「共通点」が少ないのである。
ただ、事務局長が7年に及ぶ芝園団地での暮らしの中で気づいたものは、「日本人と外国人」との対立軸で語られるトラブルは、実は日本人同士でも起こりうることであり、どこのマンションにもある問題ということだった。
人と人との関係性は、UR賃貸団地の自治会活動、分譲マンションの管理組合活動、双方に通じるものがあることがわかる一冊である。

編著者/岡﨑 広樹
発行/有限会社論創社
判型/四六判・232ページ
定価/1,980円(税込)
発売日/2022年11月30日
ISBN: 978-4-8460-2105-4
<リンク>
//ronso.co.jp/book/%E5%9B%A3%E5%9C%B0%E3%81%A8%E5%85%B1%E7%94%9F/

大規模修繕工事新聞 2025-11月 191号