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『マンションAI』活用術③ 『マンションAI』に相談してみよう!

現在、全建センターの『マンションAI』は数多くのマンションの理事、あるいは組合員からご質問が寄せられ、それに対してマンションAIが回答している、という実例があります。
このコーナーでは、実際にこの数カ月の間に管理組合の皆さんが『マンションAI』を活用されている実例を紹介します。
【監修】全建センター筆頭理事・佐藤成幸

 


12年周期で大規模修繕工事はやる必要あるの
A 12年周期で大規模修繕工事を行う必要があるかどうかは、建物の劣化状況や管理組合の財政状況、修繕計画の方針によって異なります。以下の情報を基に考えてみましょう。


1. 12年周期の背景
一般的に、12年周期で大規模修繕工事を行うことが推奨されるのは、建物の劣化を防ぎ、長期的な維持管理を行うためです。特に外壁や防水工事などは、劣化が進むと修繕費用が増大するため、定期的なメンテナンスが重要とされています。


2. 長周期化の可能性
書籍の記述によると、大規模修繕工事の周期を12年にこだわる必要はなく、建物の劣化度合いに応じて実施時期を判断することが重要とされています。例えば、劣化が少ない場合は15年以上に延ばすことも可能です。
また、修繕を分散させる「中規模・分散方式」を採用することで、単年度の大きな支出を避け、財政負担を軽減する方法も提案されています。


3. 判断基準
建物診断: 修繕の必要性を判断するために、専門家による建物診断を実施することが推奨されます。これにより、外壁や防水、設備の劣化状況を把握できます。
財政状況: 修繕積立金の残高や管理組合の財政状況も考慮する必要があります。無理に12年周期で工事を行うと、赤字になる可能性があるため、計画的な資金管理が重要です。

4. メリットとデメリット
12年周期のメリット
劣化が進む前に修繕を行うことで、建物の価値を維持しやすい。
大規模な劣化や損傷を防ぐことで、将来的な修繕費用を抑えられる。
長周期化のメリット
修繕積立金を計画的に貯める時間が増える。
単年度の財政負担が軽減される。
長周期化のデメリット
劣化が進みすぎると、修繕費用が増大するリスクがある。


5. 結論
12年周期で大規模修繕工事を行う必要があるかどうかは、建物の状態や財政状況に応じて柔軟に判断するべきです。
必要に応じて、建物診断を行い、劣化状況を把握した上で、修繕計画を見直すことが重要です。
また、長周期化や分散方式を検討することで、財政負担を軽減しつつ、適切なタイミングで修繕を行うことが可能です。
もし具体的な建物の状況や修繕計画についての詳細があれば、それに基づいてさらに具体的なアドバイスが可能です。

 

大規模修繕工事新聞 2025-11月 191号