建設業界が深刻な人手不足と高齢化に直面している中、マンション大規模修繕工事を手がける全建センター会員工事会社・株式会社繕(本社東京・葭葉恒成〈よしば・つねのり〉社長)はこのほど、令和7年度東京都中小企業技能人材育成大賞知事賞の大賞を受賞しました。社員の人材育成・処遇改善に向けて、どのような取り組みをしているのか、葭葉社長にお話を聞きました。
社員教育、人材育成に尽力し、現場の「平準化」を目指す
―まずは「繕」という社名の由来からお聞かせください
「大規模修繕工事」から1文字とって「繕」としました。私自身、塗装職人から会社を立ち上げました。
―人材育成に向け、取り組みをはじめたきっかけは?
2002年の会社設立当時、改修業界ではいまだ未熟な部分があって現場によって進め方がバラバラ、代理人や作業員個人の能力で品質に差が出ていました。そこで業界における課題である大規模修繕工事の「標準化」のためにも、個々の能力だけに頼らない仕組みの整備、社員教育、人材育成への取り組みを開始しました。
―現在、行っている主な能力開発への取り組みを教えてください
毎年度、方針計画発表会を開催しています。部門ごとに社員各人が具体的な数値目標を立て、重点項目をつくり、自らの役割と進むべき方向を明確にすることで、それぞれが主体性を持って持続的な成長を目指す体制を整えています。
また、建築施工管理技士などの国家資格取得にも支援しています。受験費用の補助、社内勉強会の開催など、社員のスキルアップを会社が後押しする体制を整えています。
―その他、人材育成に関する取り組みは?
リニューアル工事に特化した業務アプリの開発にも携わっていて、ITツールの導入による業務効率化にも力を入れています。その結果、残業削減や有給休暇の取得率アップを実現しました。こうした点も今回の選考で評価いただいたのではないかと思います。
また、建材メーカーと協力して社内で作成した独自教材『大規模修繕の教科書』は、管理組合の理事会や修繕委員会での説明資料ほか、新入社員教育における講習会でも活用しています。新人がつまずきやすいポイントを丁寧に解説することで、業務への理解が深まり、安心して仕事に取り組める環境づくりに役立てています。
―最後に「繕」の今後の抱負をお聞かせください
今後は、中長期的な視点を持ちながら、事業の基盤づくりと人材育成の両立に力を注いでいきます。
関わる皆が前向きに成長できる環境を整え、持続的に発展する組織づくりを目指してまいります。
大規模修繕工事新聞 2026年1月 193号














