ベランダの床の不陸調整と勾配調整
ベランダ、バルコニー床は雨水等がたまらないように傾斜をつけ、溝や排水口に水が流れる仕組みになっています。
表題の「不陸」とは、平らでなく凹凸があることを言います。打設したコンクリートの表面がでこぼこしていたり、平らな仕上がりになっていない場合、水たまりになりやすくなります。そこで凹凸を削ったり、なめらかにする作業を「不陸調整」といいます。
共用部分の廊下やベランダ、バルコニーの床勾配については、幅1.5mに対して15mm程度の傾斜(1/100勾配)で設計するケースがほとんどです。こうした傾斜が取られていない場合は「勾配調整」をしなければなりません。
しかしその勾配調整にも限界があり、1/20勾配以上の勾配がないと水溜りが発生してしまいます。1/20の勾配では歩行するのにかなりの違和感が発生してしまいます。
ベランダ、バルコニーは法律用語で「共用部分の専用使用部分」と呼びます。共用部分なのだけれど、そこに住む住民が専用的に使用している部分ということで、外部の他の住民からは良い状態なのか悪い状態なのかわかりにくい部分でもあります。
そこで、施工会社としては工事前のアンケートにより、ベランダ、バルコニーの不具合の状態をある程度把握します。場合によっては住戸に立ち入ってベランダ、バルコニーの調査をしなければならないケースも出てくるので、管理組合や住民の協力は欠かせません。
写真は、勾配調整の施工写真です。参考にしてください。
(大規模修繕工事新聞 No.58)