足場業者からの提言
劣化原因とならないために資材のチェックを
㈱IWAMOTO 代表取締役会長 岩 本 修
私ども㈱IWAMOTOは、仮設足場と建物本体を良質なステンレスアンカーで固定することで足場の倒壊防止対策を行っています。
固定する材料は、良質なステンレスアンカーを使用することによって、外壁のコンクリートの爆裂を起こすことなく、建物を守ることにつながります。
このため、良質なアンカーを使用しなかったマンションでは、爆裂は建物の外観が悪くなることはもちろん、雨水の浸入を許し、建物内部に水路(雨水が流れる道)を作ってしまうことが多々あるようです。
実は、この水路が一番の問題なのです。
一度水路ができてしまうと、雨水はどこかにたまったり、雨が降るたびコンクリート内をずっと雨水が流れ続けます。
建物内部の雨水は時間が経つとカビ、コケを発生させ、当然、各部屋への雨漏りにつながります。
こうして住民からクレームが起こり、改修工事の要求が高まります。が、ここでおかしいと思うのは、劣化の原因が工事を行うための仮設足場によるものだということです。
日本の塗装、防水業界は先進国の中でもトップクラスの技術を持っています。
塗装業界の3度塗り、防水業界の10年保証…。私どもの仮設業界は、この塗装、防水業者の作業を安全に施工するためのお手伝いをしています。
その、お手伝いをする業者が改修工事の原因を作ってはいけないのです。
そこで、仮設業界から発注者である管理組合、元請けの施工業者に対して提案があります。爆裂の原因の一つ、ステンレスアンカーを仮設業者に任せるのでは
なく、直接購入して「このアンカーで施工すること」と指示してほしいのです。
適正な材料を用いてもらえれば、不要な工事の原因となることはありません。
㈱IWAMOTOは海外からステンレスアンカーを直接買い付けし、平成25年5月16日現在1玉当たり130円(税別)を実現することができました(登録商標2012-070052)。
その他、養生に使うメッシュシート類(防災、防音etc.)などについても日本一の低価格を挑戦し続けてまいります。
マンションは管理組合の財産です。その財産を守るために仮設足場が劣化原因となることのないように資材のチェックを検討していただきたいと思います。
(大規模修繕工事新聞 2013-6.5 No.42)