知らなきゃ損するマンション管理入門
新築時の不良財産ワースト5…?
新築時のパンフレットにある施設・設備で、入居後トラブルになりやすいもの、勝手にベストテン!!じゃない、ワースト5は?
5位はエントランスや中庭の噴水じゃないでしょうか。今や新築ではほとんど見受けられなくなりましたね。
噴水は、池の清掃やポンプ・配管のメンテナンスが必要です。一度不具合があると「これを直して何かいいことあるのか?」という話になり、結局修繕費用と噴水の費用対効果を考えて「故障したまま」放置し、池に藻やこけがわいている光景を見うけます。
余談ですが、リゾートマンションの温泉施設も大変です。温泉水の成分が水道水と違うのでメンテナンスに非常にお金がかかるそうです。
4位はコンビニです。24時間不特定多数の利用、中高生のたむろが問題、と言いたいところですが、ここではマンション内にある売店を名指ししてランクインさせました。
住民が利用できるサービスで分譲会社が売り文句として、マンション内に置いた売店を指すことにします。マンション内の売店ですが商品の売値は敷地外(例えば駅前コンビニなど)と一緒。そのくせ、家賃なしです。売り上げの一切は管理組合に入りません。
えーっと売り場は、共用部分です。そこでジュースや軽食、雑貨などを置いていて、マンション住民以外から買いに来る人はいません。
ショバ代なく商売をしているのです。そのうち大規模修繕工事の一環として天井やフロアは管理組合のお金で修繕されるのでしょうね。なんていい儲け話なんでしょ。
3位、逆になくてトラブルになる集会施設。
ある総戸数700戸の新築マンションで、理事会を開く場所がないということになりました。キッズルームやインターネット利用ルームはあるんです。
初代理事長が「おかしいんじゃないか」と分譲会社担当者に聞いたら「集会室なんてふつうはありませんよ」という回答をしたと言います。
「売った後は知らない」という典型的な例です。700戸の大規模マンションで集会所がないわけがないのに、しら~っと「ありませんよ」と。どういう神経なんでしょうか。
このマンション、理事会はキッズルームで行うことにしたそうです。机とイスが並ぶインターネット利用ルームは閑古鳥が鳴いているといいます。
2位…時代の流れで受水槽、高架水槽等の水槽ということになるんでしょうか。
大震災時、耐震性のない高架水槽がどかんと落ちて、人身被害をもたらす可能性があります。受水槽も東日本大震災で崩壊したケースがあるようです。
新鮮な水の供給ということで、東京都をはじめとする行政区では、水道本管からの直結方式を推進しています。
直結方式を取り入れば、高架水槽とともに、大きな受水槽やポンプ室のスペースが空き、防災倉庫・駐車場の新設など有効活用している管理組合が増えています。
では最後に、栄えあるベストワン!じゃない、ワーストワンは
………ドン!
今や機械式駐車場といえるのではないでしょうか。
10年くらい前、新築時は総戸数と同じたけの駐車場数を設けることを条件に建設許可を出した行政もあることから、狭い敷地内にピット式3段、地上4段回転式、タワー駐車場などの機械式駐車場を併設するマンションが多くありました。
ところがマンション住民の高齢化、若者の車離れなどから、駐車場の借り手が減ってきています。
実際に機械式駐車場を撤去して自走式にしたり、部分的に撤去してその部分を平置き駐車場にしている管理組合の取り組み事例はどんどん増えています。
今後分譲マンションのチラシで「駐車場無料!!」なんていう文言を見つけたら、時代を見据えていない、「売れりゃ何だっていい」という分譲会社のセールストークだと思った方がよいでしょう。
(大規模修繕工事新聞 2013-6.5 No.42)