第24回日本マンション学会広島大会2015が4月25・26日、広島市佐伯区の広島工業大学五日市キャンパス三宅の森NEXUS21で行われました。今回のメインシンポジウムのテーマは『人口減少とマンションの未来像』。人口減少社会の到来をマンションに引き直して、マンション居住の将来について識者による発表・議論を行いました。
また、25日13時から行った定時会員総会で役員改選があり、小林秀樹会長(千葉大学教授)が退任、新会長に梶浦恒男・大阪市立大学名誉教授が就任しました。
マンションが人口減少社会に向かうには
分譲マンションにおいて人口減少社会の問題は、建物の老朽化や居住者の高齢化が相まって「限界マンション」を生み出すと指摘されています。
人口減少の影響は郊外の一戸建て等に顕在化しつつあります。千葉大学の小林秀樹教授は、当面は高齢者を中心とした少人数世帯にとって暮らしやすい維持管理・改修・コミュニティ形成などを適切に行い、マンションの居住価値を高める努力が大切だと話していました。
※限界マンション= 過疎化などで人口の50%以上が65歳以上の高齢者になり、社会的共同生活の維持が困難な集落を「限界集落」という。それになぞらえて高経年化で空き家の急増や賃貸化により、建物の老朽化の放置など、合意形成が難しく維持管理ができなくなるマンションを指す。