首都圏でも有効な外断熱工法の普及に期待
櫻井博宣社長にお話を聞きました。
―マンション改修での最新事情は
私どもはお客様に喜ばれる改修の提案を心がけています。その一環として、現在は外断熱改修をマンションの状況に応じて提案させていただいております。
約50人の社員がドイツの外断熱メーカーの施工資格を持っています。
―外断熱というと寒冷地での採用イメージがある
日本でも北海道から外断熱工法の需要が高まっていますが、実は外断熱は首都圏でも有効なのです。
首都圏の多くの地域では湿度が高く、夏は猛暑が続き、カビが発生しやすい状況にあります。また、冬は外気と室内との気温差が大きく、結露によるトラブルが多発しています。
室温を安定させることがカビや結露の発生を防ぐことにつながるのです。
外断熱改修をしたことによって、「エアコンを使わなくなった」と喜んでいただける居住者は少なくありません。外断熱は省エネ効果もあるのです。
―ただコストが高い感は否めない
確かに外断熱工法は費用が高いイメージがあります。しかしそれは資材単価が高いのであって、人件費等の問題ではない。普及すれば資材単価は下がります。工法としてはいいものなのだから、海外メーカーに頼るのではなく日本の塗料メーカーにもがんばってほしいと言いたい。
また、行政の補助制度をもっと拡充させることで普及につなげてもらいたいとも思います。外断熱工法は室内環境の改善だけではなく、建物の長命化にもつながります。建て替えで廃材を出すより、長命化による省エネ工法としての外断熱工法の普及に期待したいと思います。
―マンション管理組合に向けて一言
外断熱にすることによってコンクリートが保護されるため、大規模修繕工事の内容やスパンが変わってきます。
管理組合にとっても長い期間で考えると決して費用が割高というわけでもないのです。
建物をトータルコストで考え、今以上に快適な住環境となるような提案をさせていただこうと思っています。
(大規模修繕工事新聞 第06号)